ホームIMICライブラリMMWR抄訳2005年(Vol.54)ポリオ根絶への進歩-インド,2004年1月~200・・・
2005/07/08Vol. 54 / No. 26
MMWR54(26):655-659
Progress Toward Poliomyelitis Eradication - India, January 2004-May 2005
1988年以降、ポリオ発症率は99%以上減少し、アメリカ、西太平洋およびヨーロッパのWHO3地域ではポリオ根絶が宣言されている。インドはポリオを風土病とする6ヶ国の中で最も患者数が多いため(2002年:1,600例)、インド政府(GOI)は予防接種の補足的ワクチン接種運動(SIAs)を実施し、患者数は2003年:225例、2004年:135例、2005年:18例(6月18日現在)と減少している。急性弛緩性麻痺(AFP)調査の結果、2004年、WHO基準(非ポリオAFP症例が15歳以下の小児10万人あたり1例以上、AFP症例の便検体回収率80%以上)を満たす州は、非ポリオAFP症例数に関しては国内35州のうち29州(全人口の99%以上)、便検体回収率は26州であった。2004年、麻痺を伴うポリオ症例は134例(2003年:225例)報告されており、うち127例(95%)から野生型ポリオウイルス(WPV)1型(P1)、7例(5%)から3型(P3)が検出されている。2005年6月18日の時点では18例報告され(8例:ビハール州、7例:ウッテルブラデシ州、他にデリー州、ジャークハンドおよびウッテルランチャル州から各1例)、全例からP1が検出されている。ムンバイ都市部3ヶ所にて毎週実施される環境汚水調査では、2003年末から2004年にかけてP1が検出され、近隣地区にて3例の発症が確認されている。2005年は4月に2ヶ所から検出されているが、発症例は報告されていない。また、経口ポリオワクチン3回接種(OPV3)実施率は発症が報告されている州で依然として低く(ビハール州:21.1%、ウッテルブラデシ州:41.4%)、2004年4月、GOIはWHOおよびUNICEFと協力しウッテルブラデシ州西部にて小児に対する予防接種強化運動を開始し、2005年1-5月にはハイリスク地域(ビハール、デリー、ジャークハンド、ウッテルランチャル、ウッテルブラデシ、西ベンガル州)にて4回のSIAsが実施され、2004年末および2005年初めには個別接種も実施されている。さらに1回の接種で1型特異免疫応答を誘発する一価OPV 1型(mOP1)がこれらの地域のSIAs(2005年4、5、6月実施)に導入されている。
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