ホームIMICライブラリMMWR抄訳2005年(Vol.54)旅行によるデング熱感染症-アメリカ,2001~20・・・
2005/06/10Vol. 54 / No. 22
MMWR54(22):556-558
Travel-Associated Dengue Infections - United States, 2001-2004
デング熱は蚊が媒介する4種類のデング熱ウイルス(DEN-1、DEN-2、DEN-3、DEN-4)による急性ウイルス性疾患である。主に熱帯、亜熱帯地方の風土病であるが、それらの地域への旅行者の感染が報告されている。アメリカでは2001-2004年の間に、臨床症状および発症時期からデング熱感染が疑われる366例の血清検体が国内37州およびDCからCDCに提出された(2001年:107、2002年:74、2003年:95、2004年:90)。このうち、抗デング熱IgM抗体上昇により67例、デング熱ウイルス分離により10例、計77例(21%)が急性デング熱感染症であることが研究室レベルにて診断された(うち8例(10%)は一次感染、12例(16%)は二次感染)。また、22例(6%)はIgG力価の上昇からフラビウイルス感染または黄熱病の予防接種歴が示唆されたが、急性症状の発現がなく、88例(24%)は回復期の血清検体が入手できず、確診には至らなかった。陰性と診断された症例は183例(50%)であった。77例の診断例は年齢8ヶ月-72歳、男性36例、女性41例であり、臨床データが入手可能であった56例における主な症状は、発熱:54例(96%)、頭痛:36例(64%)、筋肉痛:32例(57%)、悪寒:19例(34%)、発疹:20例(36%)であった。出血性症状(点状出血、紫斑、喀血、吐血、血尿、鼻出血)を呈した症例は14例(25%)であり、9例(16%)が肝酵素上昇を来した。また、入院例は15例(27%)、うち1例が死亡している(1ヶ月間のメキシコ旅行から帰国した成人)。旅行先が明らかな66例の調査では、カリブ諸島:20例(30%)、太平洋諸島:14例(21%)、アジア:11例(17%)、中央アメリカ:10例(15%)、南アメリカ:10例(15%)、アフリカ:1例(2%)であった。旅行者のデング熱感染症リスクは、防虫剤の使用や蚊の暴露回避により削減し得る。
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