ホームIMICライブラリMMWR抄訳2005年(Vol.54)血中鉛濃度-アメリカ,1999~2002年
2005/05/27Vol. 54 / No. 20
MMWR54(20):513-515
Blood Lead Levels -United States, 1999-2002
鉛への曝露は小児では知的および行動障害、成人では高血圧および腎障害を来す。2010年の健康目標には、血中鉛濃度(BLLs)が10μg/dL以上の小児をなくすことが掲げられ、1976-1980年と1991-1994年のNational Health and Nutrition Examination Surveys(NHANES)では、BLLsが10μg/dL以上の1-5歳の小児の割合は77.8%から4.4%へと急激に低下している。今回、1999-2002年のNHANESデータ(対象:16,825名、男8,202女8,623)が1991-1994年データ(同13,472名、男6,204女7,268)と比較分析された。1999-2002年におけるBLLsが10μg/dL以上の高値例は0.7%であり、1991-1994年(2.2%)に比し68%減少し、非ラテン系黒人小児(1-5歳)にて最も減少していた(11.2% vs 3.1%)。1-5歳の小児全体ではBLLs高値例は1.6%であり、約310,000名が有害レベルの鉛に曝露していた。6-19歳では0.2%と最も低値であった。人種/民族別では非ラテン系黒人、メキシコ系アメリカ人が最も高く(それぞれ1.4%、1.5%)、非ラテン系黒人では1-5歳が3.1%、60歳以上の高齢者で3.4%と特に高値を示し、非ラテン系白人が最も低かった(0.5%)。BLLsの相乗平均値は1991-1994年:2.3μg/dLから1999-2002年:1.6μg/dLへと有意に低下し、1999-2002年においては1-5歳の小児が1.9μg/dL、60歳以上の高齢者が2.2μg/dLと高く、6-19歳が1.1μg/dLと最も低かった。男女別では1-5歳の小児を除き、男性にて有意に高値、人種/民族別では1-5歳の小児にて非ラテン系黒人が2.8μg/dLと、メキシコ系アメリカ人:1.9μg/dL、非ラテン系白人:1.8μg/dLに比し有意に高値を示していた。また、低所得層の小児も1991-1994年:3.7μg/dLから1999-2002年:2.5μg/dLへと有意に低下していた。今後も2010年の目標達成に向けて、鉛の有害性と、とくに小児の鉛曝露の危険性に対して継続的な警戒を行う必要がある。
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