ホームIMICライブラリMMWR抄訳2005年(Vol.54)マールブルグウイルス出血熱の発生-アンゴラ,200・・・
2005/04/01Vol. 54 / No. 12
MMWR54(12):308-309
Outbreak of Marburg Virus Hemorrhagic Fever - Angola, October 1, 2004-March 29, 2005
2005年3月23日、WHOはアンゴラ北東部ウイジェ州においてウイルス性出血熱(VHF)の発生原因としてマールブルグウイルス(エボラ出血熱ウイルスが属するフィロウイルス科)を確認した。CDCの特定病原菌部門による検査で、この流行期間中に死亡した12名の臨床検体を分析した結果、9名からこのウイルスが検出された。2004年10月1日―2005年3月29日、計124例での感染が確認され、うち117例が死亡した。約75%が5歳未満の小児であり、健常成人での発生も認められた。症状は主に発熱、出血、嘔吐、咳、下痢および黄疸であった。これを受けてCDCは3月25日、この発生に関する情報を旅行者に通知している(渡航規制はなし)。マールブルグウイルスは5―10日間の潜伏期間をおいて急激に発熱、悪寒、頭痛および筋肉痛を来たし、発症から約5日後、嘔吐、胸痛、咽頭痛、腹痛および下痢などの症状を来たした後、斑点性丘疹が発現する。症状は急速に進行し、黄疸、膵臓炎、急激な体重減少、精神錯乱、ショック、肝不全、大量出血、多臓器不全に至る。致死率は25―80%であり、ワクチンや根治的治療法は確立していない。感染は体液(血液、唾液、尿など)への接触による。診断の際は、発熱の10日以内にアンゴラ北東部への渡航歴、VHF症例の体液への接触の有無、出血熱ウイルスを扱う研究室や動物施設での勤務の有無などを確認すべきである。
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