ホームIMICライブラリMMWR抄訳2005年(Vol.54)ポリオ根絶への進展-アフガニスタンとパキスタン,2・・・
2005/03/25Vol. 54 / No. 11
MMWR54(11):276-279
Progress Toward Poliomyelitis Eradication - Afghanistan and Pakistan, January 2004-February 2005
2003年末にポリオが風土病であり続けているのは6ヶ国だけであったが、2004年にはナイジェリアで発生した野生型ポリオウイルス(WPV)がアフリカの西部および中央部のポリオフリーの国々に拡散し、ポリオが復活した。一方、アジア地域でポリオが風土病となっているアフガニスタン、インド、パキスタンでは2004年もWPV伝播遮断に向けた進展が続いている。この報告は、アフガニスタンとパキスタンにおける2004年1月―2005年2月のポリオ根絶に向けた進展状況の概要である。アフガニスタンとパキスタンでは未だに乳児に対するルーチンでの経口ポリオウイルスワクチン(OPV)接種率が低いため、2004年の大規模戸別訪問追加予防接種活動(SIA)の期間中に5歳未満の小児を対象としたOPV追加投与を実施した。また両国は実施時期を一致させて2004年に8ラウンド、2005年はすでに2ラウンドのSIAを行った。急性弛緩性麻痺(AFP)サーベイランスの質も改善されており、非ポリオAFP率(15歳未満の小児10万人あたりの非ポリオAFP症例:目標値1.0人以上)とAFP症例における適切な便検体採取率(麻痺発症から14日以内に2回採取:目標値80%以上)は両国とも目標値以上を維持している。報告されたポリオ症例数は、2003年から2004年にかけてパキスタンでは103例から53例(WPV1:46、WPV3:7)に、アフガニスタンでは8例から4例(WPV1:2、WPV3:2)に減少した。国際的なパートナーシップによる経済的・技術的支援の持続により、両国では2005年末までにポリオウイルス伝播の遮断が実現可能と考える。
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