ホームIMICライブラリMMWR抄訳2005年(Vol.54)Litargirio使用に関連した鉛中毒-ロードア・・・
2005/03/11Vol. 54 / No. 9
MMWR54(9):226-229
Lead Poisoning Associated with Use of Litargirio - Rhode Island, 2003
鉛は神経障害、血液障害、腎障害を引き起こす可能性がある。アメリカでは、古い家屋における品質の低下した鉛含有塗料が小児の鉛暴露源として最も頻度が高い。しかし最近、一部の民族/人種において他の鉛源が認識されてきている。2003年、Rhode Island Department of Health(RIDOH)はリサージあるいは一酸化鉛としても知られているlitargirioがラテンアメリカ系小児の鉛曝露源となる可能性があることを認めた。litargirioは、ラテンアメリカ系コミュニティにおいて制汗剤/脱臭剤および民間療法薬として使用されている黄色あるいは桃色の粉末である。この報告では、ロードアイランド州においてlitargirio使用に関連した血中鉛濃度(BLL)上昇がみられた男児2例(双子)、その後実施された公衆衛生的活動、ロードアイランド州プロビデンスの3ヶ所の小児病院で行なわれたlitargirio使用に関する調査結果について述べる。2003年5月、RIDOHとHealth & Education Leadership for Providence(HELP)Lead Safe Centerは7歳の双子のラテンアメリカ系男児でみられた説明できないBLL上昇について調査を行った。この双子は生後9ヶ月から毎年BLLのスクリーニングを行っており、2001年6月以降BLLが上昇していた。家庭調査の結果、この双子の寝室でlitargirioを発見した。このlitargirioサンプルには790,000ppmの鉛が含まれていた。その後双子のBLLは低下した。このlitargirioはドミニカ共和国から来たこの双子の祖母がこの家と彼らの従姉妹2例(1歳、5歳)のいる家に持ち込んだものであり、これら女児2例も2002年6月にBLL上昇を認めた。このうち姉は2003年1月に家族がそれを使い果たすまでlitargirioを時折使用しており、その後BLLは低下した。妹はlitargirioを使用していなかったが、寝室が姉と一緒でありlitargirioの残留物を摂取した可能性があった。この妹のBLLは、姉がlitargirio使用を中止した後に低下した。2003年6月30日、RIDOHはlitargirioの使用を中止するよう州全体に警告を出し、litargirioを使用した妊婦および授乳婦、小児にBLL検査を受けるよう勧告した。またRIDOHはDominican Republic Secretary of Public Healthにドミニカ共和国から輸入されたlitargirio中の高濃度の鉛について報告した。その後、litargirio関連鉛中毒患者の報告はない。2004年1月―2月にロードアイランド州プロビデンスの小児病院で行なわれたラテンアメリカ系コミュニティにおけるlitargirio使用に関する調査では、親/保護者584名中157名(27%)がlitargirioについて聞いたことがあると回答し、そのうち134名(85%)はドミニカ人であった。また自分自身あるいは家族にlitargirio使用歴のある40例のうち38名は、ドミニカ共和国に住んでいた間、日常的にlitargirioを使用していたドミニカ人であった。これら所見は、BLL上昇例の追跡調査と全ての鉛源を確認するための徹底的な調査の重要性を強調する。
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