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ホームIMICライブラリMMWR抄訳2005年(Vol.54)ハムスター咬傷による野兎病-コロラド州、2004年

MMWR抄訳

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2005/01/07Vol. 53 / No. 51& 52

MMWR53(51&2):1202-1203
Tularemia Associated with a Hamster Bite - Colorado, 2004

ハムスター咬傷による野兎病-コロラド州、2004年

2004年4月、Colorado Department of Public Health and Environment(CDPHE)にハムスターに咬まれ、野兎病と診断された3歳の男児が報告された。1月2日―2月8日、この男児は家族とともにデンバー市内のペットショップで購入したハムスター6匹と接触しており、ハムスターはいずれも購入1週間以内にwet tail disease(下痢など)により死亡していた。男児はこのうちの1匹に左薬指を咬まれ、7日後、発熱、倦怠感、左腋リンパ節腫脹、咬傷部位瘡蓋を来した。amoxicillin-clavulanate治療は奏効せず、症状発症から49日後の左腋リンパ節生検により、Francisella tularensisが分離され、CDCによりB型と確定された。その後男児はciprofloxacinにより回復した。このペットショップでは、1―2月にかけて、ハムスターの異常な死亡を報告しており、2匹の猫でF. tularensis陽性を認めている。店員、卸業者および2003年12月―2004年2月にハムスターを購入した客の調査では、この店で購入されたハムスター8匹が購入から2週間以内に死亡しており、客1名と店員1名がハムスターに咬まれた後、発熱性疾患を来したが、F. tularensis血清学検査は陰性であった。アメリカ国内では今までペットのハムスターからの野兎病感染の報告はなく、今後、医療関係者はハムスターが感染源となりうる危険性を認識すべきである。

References

  • Calle PP, Bowerman DL, Pape WJ. Nonhuman primate tularemia (Francisella tularensis) epizootic in a zoological park. J Zoo Wildlife Med 1993;24:459-68.
  • Munnich D, Lakatos M. Clinical, epidemiological, and therapeutical experience with human tularemia. Infection 1979;7:61-3.
  • Dennis DT, Inglesby TV, Henderson DA, et al. Tularemia as a biological weapon: medical and public health management. JAMA 2001;285:2763-73.

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