ホームIMICライブラリMMWR抄訳2004年(Vol.53)ハリケーンIvan中のドライアイス曝露による急性疾・・・
2004/12/24Vol. 53 / No. 50
MMWR53(50):1182-1183
Acute Illness from Dry Ice Exposure During Hurricane Ivan - Alabama, 2004
ハリケーンなどの天災による停電で通常の冷凍法が利用できない場合、生鮮食料品を保護するための代替法の1つはドライアイスによる冷凍である。2004年9月、アラバマ州モビール市の34歳男性はハリケーンIvan直後の停電を予想し、ドライアイス100lbブロックを購入した。このドライアイスブロックを4等分し、紙袋に包み小型トラックの前部座席に置いた。窓を閉め、運転席内で空気を循環させるようエアコンをセットした。約1/4マイル走行後息切れが生じ、その後呼吸困難が悪化したため妻に電話して911を呼ぶよう頼み、車を駐車場に止めた後意識喪失となった。妻がその駐車場に到着し車のドアを開けたところ、男性は意識が回復し始め、その直後救急車が到着した。男性のバイタルサインは正常で、さらなる検査の必要はなかった。男性はそれから24時間頭痛を訴えたが、その後回復した。CO2は無色無臭であるため、ドライアイスの搬送、使用、保存に携わる者はその危険性について教育を受ける必要がある。CO2濃度の上昇により呼吸数が増え、頭痛、錯乱などの低酸素症・低酸素血症症状が発現する。ドライアイス曝露によりそのような症状がみられた場合には、新鮮な空気がある場所に移動し酸素吸入を行う必要がある。
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