ホームIMICライブラリMMWR抄訳2004年(Vol.53)最新情報:インフルエンザ活性-アメリカおよび全世界・・・
2004/10/29Vol. 53 / No. 42
MMWR53(42):993-995
Update: Influenza Activity - United States and Worldwide, May-October 2004
この報告は、アメリカおよび全世界における2004年5月―10月のインフルエンザ活動性をまとめたものである。アメリカでは、2004年5月23日―10月2日にインフルエンザ様疾患(ILI)のため定点健康管理者を訪れた患者の割合は0.4―0.8%であった。またWHO・National Respiratory and Enteric Virus Surveillance System(NREVSS)共同検査室が検査した気道検体11,916検体中54検体(0.5%)がインフルエンザ陽性であった。この陽性検体のうち29検体(54%)はインフルエンザBウイルス、14検体(26%)はインフルエンザA(H3N2)ウイルス、11検体(20%)はサブタイプ不明のインフルエンザAウイルスであった。10月3日―16日のインフルエンザ活動性は低レベルであった。10月3日以降に検査された気道検体1,414検体では、8検体(0.6%)がインフルエンザ陽性(A型:6検体、B型:2検体)であった。この期間中、世界的にはインフルエンザA(H3N2)ウイルスが循環し、軽度から中等度レベルの疾患活動性を示した。インフルエンザA(H1N1)およびBウイルスの報告頻度は低かった。2004年5―10月に世界中で分離されたインフルエンザA(H3N2)ウイルス236株について抗原性が検討された。208株(88.1%)はA/Fujian/411/02様であり、A/Wyoming/03/2003(04/05ワクチン株)に、5―9月に分離されたインフルエンザA(H1N1)ウイルス8株はA/New Caledonia/20/99(03/04ワクチン株)に類似していた。またインフルエンザBウイルス73株中54株はB/Yamagata系統株、19株はB/Victoria系統株であった。鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスのヒトへの感染については、2004年10月25日現在ベトナムとタイで44例確認されており、そのうち32例は死亡した。これら患者は、両国の家禽におけるH5N1アウトブレイク頻発に関連していた。2004年1月以降のH5N1確定例における累積患者死亡率は73%であった。CDCは、H5N1伝播国から帰国し説明不能の重度気道疾患を発症した旅行者に対するH5N1感染サーベイランスを強化するよう勧告している。
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