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MMWR抄訳

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2004/10/15Vol. 53 / No. 40

MMWR53(40):944-946
Assessment of Increase in Perinatal Exposure to HIV Among Hispanics - 20 Counties, Georgia, 1994-2002

ラテンアメリカ系人における周産期HIV曝露増加の評価-ジョージア州,20郡,1994~2002年

CDCは、アトランタにおける周産期HIV曝露されたラテンアメリカ系乳児の数が、その地域におけるラテンアメリカ系人の人口占有率の増加以上に増えているという報告を専門的小児HIVケア診療所(クリニックA)の医師から受けた。CDCはクリニックAの健康管理者と協力し、アトランタを含むジョージア州20郡における周産期HIV曝露されたラテンアメリカ系乳児の増加とその特徴について調査した。1994―2002年、20郡におけるラテンアメリカ系人の出生児数とその全体に占める割合は5.0%(2620人)から16.8%(11,130人)に増加した。同時期に非ラテンアメリカ系白人および他の人種と非ラテンアメリカ系黒人の出生児数は増加したが、全体に占める割合はそれぞれ60.5%(31612人)から50.3%(33,256人)、34.5%(18,017人)から32.9%(21,765人)に減少した。またジョージア州の出産可能女性人口におけるラテンアメリカ系人の占める割合は2.5%から6.1%に増加した。周産期HIV曝露乳児のうちラテンアメリカ系人の占める割合は、1994年の1.1%(1/96人)から2002年には10.5%(10/95人)へと9倍以上増加した。非ラテンアメリカ系白人および他の人種の占める割合も5.2%(5/96)から7.4%(7/95)に増加したが、非ラテンアメリカ系黒人では94.0%(90/96)から82.0%(78/95)に減少した。2002年の出産可能女性における出生児のHIV血清陽性率は、非ラテンアメリカ系黒人で0.36%(78人/出生児21,765人)、ラテンアメリカ系人で0.09%(10/11,130人)、非ラテンアメリカ系白人および他の人種で0.02%(7/33,256人)であった。出産可能年齢女性のHIV血清陽性率が生児を出産した女性と同様であるとした場合、非ラテンアメリカ系黒人では1,229例(341,379名の0.36%)、ラテンアメリカ系人では71例(79,237名の0.09%)、非ラテンアメリカ系白人および他の人種では124例(620,743名の0.02%)がHIV感染者と考えられる。これに基づくと、2002年にはHIV感染ラテンアメリカ系女性71人中10人(14.1%)、非ラテンアメリカ系黒人1,229人中78人(6.3%)、非ラテンアメリカ系白人および他の人種124人中7人(5.6%)が出産したことになる。以上の調査結果は、ジョージア州20郡におけるラテンアメリカ系乳児の周産期HIV曝露増加は出生率の増加が一因であることを示唆する。出産可能年齢の性的活動性を有する女性全て、特にHIV/AIDS有病率の高い地域の女性に対して、HIV感染と診断され重度免疫不全症状の発現前に治療を受けた場合には無症状状態が持続する可能性があることを忠告する必要がある。さらに妊娠前または妊娠中にHIV検査を受ける機会を増やし、妊娠中に検査を受けなかった女性に対しては分娩中のHIV検査を地域内で取り入れることを考慮する必要があると考える。

References

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