ホームIMICライブラリMMWR抄訳2004年(Vol.53)居住地域内でのクロロピクリン土壌燻蒸剤の飛散に関連・・・
2004/08/20Vol. 53 / No. 32
MMWR53(32):740-742
llness Associated with Drift of Chloropicrin Soil Fumigant into a Residential Area - Kern County, California, 2003
クロロピクリンはカリフォルニア州での使用頻度が4番目に多い土壌燻蒸剤であり、その曝露は眼や気道の刺激、嘔吐、下痢の原因となる。この報告は、カーン郡で発生したクロロピクリン関連疾患についてCalifornia Department of Pesticide Regulation(CDPR)とKern County Agriculture Commissioner(KCAC)が行った調査結果を紹介したものである。2003年10月3日、農業関連害虫コントロールサービスはカーン郡の34エーカーの休閑地に100%クロロピクリンの散布(80ポンド/エーカー)を行い、さらに土壌中17―18インチにも注入した。また翌日には残り16エーカーにクロロピクリン散布を行った。散布後、散布区域の西および南側約1/4マイルのところに住む住民から刺激症状などの訴えがあったため、KCACとCDPRはその地域の住民にインタビューを行った。その結果、165例[年齢中央値:16歳(3ヶ月齢―63歳)]でクロロピクリンによる疾患と一致する症状の発現が報告され、発現症状の99%が眼や気道の刺激症状であった。曝露状況について標準大気分散モデルを用いてレトロスペクティブに検討した結果、散布区域の西および南側における1時間平均大気中クロロピクリン濃度は0.20ppmであり、最大濃度は1ppmを超える可能性があると推定された。Occupational Safety and Health Administrationの許容曝露限界値とNational Institute for Occupational Safety and Healthが勧告している曝露限界値は8時間で平均0.10ppmである。この調査結果を受け、KCACはクロロピクリン散布に関して居住建造物から1/4マイル以内での散布禁止などを含む新たな制限を設けた。2003年にCDPRは殺虫薬の周囲への飛散などが発生した場合の対処法(曝露の迅速な確認と影響を受けた人々の報告)を採用したが、このアプローチは他の地域でも有用と考える。
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