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MMWR抄訳

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2004/07/16Vol. 53 / No. 27

MMWR53(27):606-610
Trichinellosis Associated with Bear Meat - New York and Tennessee, 2003

熊肉による旋毛虫症-ニューヨークおよびテネシー州,2003年

旋毛虫症は感染した豚の肉を食することによる寄生虫感染症であり、豚肉加工技術の改良によりその数は減少しているが、野生動物(主に熊)の肉による旋毛虫症の発症数は、1997―2001年の間に72例(中央値12例/年、11―23例)報告されている。2003年、ニューヨークおよびテネシー州から熊肉による旋毛虫症例3例が報告された。ニューヨーク州では、54歳の男性が屠殺場から得た熊の肉を家庭で冷凍保存し、発症前2週間に約900gの生に近い肉を摂取したため発症した。テネシー州では38歳男性と54歳女性がカナダで狩猟した熊を氷詰めでテネシーへ持ち帰り、やはり生に近い状態で摂取したため発症している。いずれもalbendazoleとcorticosteroid投与により回復している。2003年ニューヨーク州では、1,850頭の熊がハンターに捕らえられている。旋毛虫症の危険性を予防するには、本感染症の危険性をハンターに理解させるとともに、野生の肉を摂取する際にはよく焼く(約71℃)よう、注意を呼びかけるべきである。

References

  • CDC. Trichinellosis surveillance-United States, 1997-2001. In: CDC Surveillance Summaries (July 25). MMWR 2003;52(No. SS-6):1-8.
  • Dworkin M, Gamble H, Zarlenga D, Tennican P. Outbreak of trichinellosis associated with eating cougar jerky. J Infect Dis 1996;174:663-6.
  • Schellenberg R, Tan B, Irvine J, et al. An outbreak of trichinellosis due to consumption of bear meat infected with Trichinella nativa in two northern Saskatchewan communities. J Infect Dis 2003;188:835-43.
  • New York State Department of Environmental Conservation. Historic black bear harvest data. Available at <http://www.dec.state.ny.us/website/dfwmr/wildlife/wildgame/beartake.htm>.
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  • Gamble HR. Parasites associated with pork and pork products. Rev Sci Tech 1997;16:496-506.

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