ホームIMICライブラリMMWR抄訳2004年(Vol.53)おもちゃのネックレスの飲み込みによる鉛中毒-オレゴ・・・
2004/06/18Vol. 53 / No. 23
MMWR53(23):509-511
Lead Poisoning from Ingestion of a Toy Necklace - Oregon, 2003
アメリカの小児において、鉛含有塗料粉の摂取は最も一般的な鉛曝露源である。この報告では、おもちゃのネックレスについていたメダル型ペンダントを飲み込んだ男児における鉛中毒について、Deschutes County Health DepartmentとOregon Department of Human Servicesが行った調査結果を紹介する。2003年7月、4歳の男児が数日間続く腹部痙攣、嘔吐、下痢を主訴としてオレゴン州の病院を受診した。腹部X線検査にて胃の中に金属製の物体を認め、検査所見では正球性貧血を示していた。内視鏡検査を行い、胃からメダル型ペンダントを回収した。患児の血中鉛レベルは123μg/dL(CDCによる要注意レベル:10μg/dL以上)であったため、静脈内キレート療法を行い、その後血中鉛レベルは低下した。患者の胃から回収されたメダル型ペンダントはオレゴン州のおもちゃの自動販売機で購入したものであり、そのペンダントの鉛含有率は38.8%(388,000mg/kg)であった。この調査結果を受け、2003年9月に全国でこの鉛中毒に関連したおもちゃのネックレスは回収された。医師や養育者は、小児が金属製の物体を飲み込んだり、口の中に入れた場合には鉛中毒について考慮する必要がある。また他の小児が同じ鉛源に曝露するのを防ぐため、鉛中毒を確認した場合には公衆衛生機関に速やかに報告する必要がある。
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