ホームIMICライブラリMMWR抄訳2004年(Vol.53)野生株ポリオウイルスの輸入-西アフリカおよび中央ア・・・
2004/05/28Vol. 53 / No. 20
MMWR53(20):433-435
Wild Poliovirus Importations - West and Central Africa, January 2003-March 2004
2003年1月―2004年3月、以前はポリオのなかった西アフリカブロックの5ヶ国(ベニン、ブルキナファソ、コートジボワール、ガーナ、トーゴ)と中央アフリカブロックの3ヶ国(カメルーン、中央アフリカ共和国、チャド)に野生株ポリオウイルス(WPV)が輸入され、63例がポリオを発症した。ここでは、WPVの輸入に関する調査結果およびその対策と、西・中央アフリカにおけるポリオ根絶への進展状況について報告する。ガーナを除く西・中央アフリカの国々における2002年の経口ポリオワクチン(OPV)3回接種率は、13―93%と様々であった。これらの国々では、1999―2002年に追加予防接種活動(SIA)を年1回実施していた。また2002年にはアルジェリア以外の全ての国で全国予防接種週間(NID)を実施し、5歳未満の小児約3,060万人に2回以上のOPV接種を行った。急性弛緩性麻痺(AFP)サーベイランスの質については、6ヶ国(アルジェリア、カーボベルデ、チャド、赤道ギニア、ガンビア、サントメプリンシペ)を除く西・中央アフリカの国々全てが目標を達成していた。2003年1月―2004年3月に輸入されたウイルスは全て1型であり、ナイジェリア北部およびニジェール南部から輸入されたと考えられた。ポリオを発症した63例の年齢は、13%が12ヶ月未満、21%が12―23ヶ月、49%が24―59ヶ月、17%が59ヶ月以上であった。ワクチン接種状況が判明した52例中、26例(50%)は1―2回接種、10例(19%)は3回以上接種を受けており、16例(31%)は未接種であった。8ヶ国中4ヶ国は2日以内に発端者確認のための調査を開始した。発端者8例中2例はポリオが風土病である国に最近旅行しており、輸入WPV検出に対する対策として、8ヶ国全てがSIAを実施した。西・中央アフリカで再びポリオが根絶されるためには、ナイジェリアとニジェールにおけるWPV伝播を阻止する必要がある。WPV伝播が阻止されるまで、近隣諸国は高いワクチン接種率の維持と質の高いSIAの実施により免疫バリアを築く必要がある。
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