ホームIMICライブラリMMWR抄訳2004年(Vol.53)多病巣性土着マラリア感染-フロリダ州,2003年
2004/05/21Vol. 53 / No. 19
MMWR53(19):412-413
Multifocal Autochthonous Transmission of Malaria - Florida, 2003
アメリカにおけるマラリア症例はその多くが輸入症例であり、フロリダ州でも年間約60例のほとんどが輸入症例であるが、蚊を媒介する地域的な発生も散発している。2003年7―9月、フロリダ州パームビーチ郡においてPlasmodium vivax(三日熱マラリア原虫)によるマラリア症例(8例)が発生、同時期、75マイル離れたオキチョビー郡でも2例に発症が疑われ、2例ともマラリアの疑いによりドキシサイクリンおよびジクロフェナクが投与された。この2ヶ所の関連性をFlorida Department of Healthが調査した結果、オキチョビー郡における2症例のうち、アメリカ出生のフロリダ住民の検体からマラリア原虫は検出されず、発症2ヶ月前にアメリカへ入国したウガンダ出身の症例のみ、P. ovale(卵形マラリア原虫)が検出された。パームビーチ郡ではP. vivaxによる発生であるため、本症例はウガンダからの輸入によると判断された。9月、この症例が発症する前2週間の間に原因不明の熱性疾患を来した232例を調査したが、他にマラリア症例は確認されなかった。1950年代以降、土着マラリア症例の発生は散発的であるが[ベイ郡:1990年(1例)、パームビーチ郡:1996年(2例)、2003年(8例)]、フロリダはその立地および気象条件から、マラリア流行地域との出入りが多く、蚊の数も多いことからマラリア対策が講じられており、蚊を介する地域的な感染を予防するため、迅速かつ徹底的な調査が重要である。
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