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MMWR抄訳

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2004/05/21Vol. 53 / No. 19

MMWR53(19):407-410
Fatal Cases of Rocky Mountain Spotted Fever in Family Clusters - Three States, 2003

家族集団におけるロッキー山紅斑熱の致死例-3州,2003年

ロッキー山紅斑熱(RMSF)はRickettsia rickettsiiによるマダニ媒介性感染症であり、初期症状は発熱と紅斑を特徴とし、未処置の場合は肺炎、心筋炎、肝炎、急性腎不全、脳炎、壊疽などの全身症状を来たし、その致死率は30%に及ぶ。処置した場合でも入院率は72%、致死率は4%と報告されている。アメリカでは1983―1998年に612例が死亡し、その約12%は10歳未満の小児であった。2003年夏、オクラホマ、ケンタッキーおよびアリゾナ州において家族内で感染したRMSFによる死亡例が報告された。オクラホマ州では5月下旬、7歳女児に発症、ドキシサイクリンを投与したが、治療開始から6日目に死亡した。その後、3歳の妹に発症したが、ドキシサイクリン投与により回復した。ケンタッキー州では8月上旬、2歳男児に発症、バンコマイシン、セフォタキシム、ドキシサイクリンを投与したが、8日目に多臓器不全により死亡した。死亡する2日前に男児の母親(40歳)に複視、めまい、頭痛、発熱といった症状が発現したが、ドキシサイクリンおよびセフトリアキソン投与により回復した。また、アリゾナ州では8月中旬、14ヶ月齢男児に発症、セフタジジムおよびバンコマイシンを投与したが、6日目に死亡した。RMSFは発症後の進行が早く、9日以内に約50%が死亡する。ドキシサイクリンの投与が第一選択であるが、発症から5日以内の投与開始が望まれる。森や林の藪や草むらにはマダニが多いため、活動期(4―9月)にはこのような場所を避け、咬まれていないかをよく調べ、見つけた場合はピンセットなどで取り除き、医師の診断を仰ぐ。確診には時間を要するため、その間の経過に注意し、RMSFと診断された場合には、州保健局へ報告することが義務づけられている。

References

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