ホームIMICライブラリMMWR抄訳2004年(Vol.53)SARSスクリーニングにより発見されたMycoba・・・
2004/04/23Vol. 53 / No. 15
MMWR53(14)321―322
Nosocomial Transmissionof Mycobacterium tuberculosisFound Through Screening forSevere Acute RespiratorySyndrome - Taipei, Taiwan, 2003
2003年4月、台北市内の病院において、SARSスクリーニングを受けた医療従事者(HCW)に胸水が認められ、胸膜生検培養からM.tuberculosisが検出された。さらにこの症例と親しいHCWから6例の肺結核症例が確診された。その後、6―7月に行われた検査では、1,409名中28例(2%)、10―11月の検査では1,463名中29例(うち5例は結核症例ではないことが判明)の結核症例が確診された。計60例の結核症例は女性が51例(85%)を占め、年齢は中央値30歳(22-65歳)、43例(72%)は肺結核、5例(8%)は胸膜、1例(2%)は頸部リンパ節結核であった。全例とも抗結核治療を受け、12月3日の時点では18例にて胸部X線所見の改善が認められ、2例は不変、他の40例は現在追跡中である。感染源は高齢の結核患者と考えられ、この患者が入院していたフロアAに勤務していたHCWで陽性反応のあった7例中5例から、遺伝子型が一致する菌が分離された。また、フルタイム、パートタイム、ボランティアおよび契約HCW1,759名を対象にアンケート調査を行った(回答者数1,555名)結果、看護師(21例/557名、4%)での発症が最も多く、呼吸器技師(3例/7名、43%)、放射線技師(4例/21名、16%)、フロアA勤務HCW(28例/77名、36%)にて発症率が高かった。台湾では1998―2002年にかけて、全ての結核専門病院が閉鎖され、一般病院に結核患者が入院するようになったため、HCWに対し院内結核感染に対する十分な認識と配慮を喚起することが重要と考える。
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