麻疹根絶への進展－アメリカ大陸地域,2002～2003年

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MMWR抄訳

2004/04/16Vol. 53 / No. 14

MMWR53(14)304―306
Progress Toward Measles Elimination - Region of the Americas, 2002-2003

麻疹根絶への進展－アメリカ大陸地域,2002～2003年

1994年、アメリカ大陸の国々は2000年までに西半球における風土病的麻疹の伝播を根絶するという目標を採択した。その結果、1990年には約25万例いた麻疹患者数は99%以上減少した。2002―2003年のアメリカ大陸における麻疹の疫学と根絶への進展について述べる。麻疹根絶に向けたワクチン接種活動としては全国的追加予防接種活動(SIA)が最も重要であり、2002年には10回のSIAが実施された。ワクチン接種を受けた小児は、1,040万人(2000年)、1,060万人(2001年)、990万人(2002年)となった。ルーチンでの麻疹ワクチン接種率は2000年94%、2001年96%、2002年92%であった。2002―2003年に全国的サーベイランスシステムに報告された麻疹および風疹の疑い患者数は46,629例から30,118例に減少した。またこの期間中、患者調査のための適時戸別訪問率は65%から85%に、疑診例のための検査診断用の適切な検体採取率は74%から81%に増加した。2002年にはこの地域では麻疹確認患者は2,584例報告され、このうち2,397例はヨーロッパからのD9型麻疹ウイルスが輸入された後のベネズエラでのアウトブレイク中に発症した。2003年に報告された麻疹確認例は105例(チリ:1、コスタリカ:1、ブラジル:2、カナダ:15、アメリカ:42、メキシコ:44)であり、この患者数は過去最低であった。1997―2002年にいくつかの大規模なアウトブレイクを起こしたD6、D9遺伝子型の伝播は、2002年11月以降報告されていない。アメリカ大陸は麻疹が風土病である地域からの麻疹輸入の危険性が常にあるため、各国は住民の麻疹に対する高い免疫性を維持するとともに、輸入患者の確実な適時検出とコントロール法の迅速な実施を可能にするための感受性の高いサーベイランスを持続する必要がある。

References

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