ホームIMICライブラリMMWR抄訳2004年(Vol.53)最新情報:米軍職員における皮膚リーシュマニア症-南・・・
2004/04/02Vol. 53 / No. 12
MMWR53(12):264-265
Update: Cutaneous Leishmaniasis in U.S. Military Personnel - Southwest/Central Asia, 2002-2004
皮膚リーシュマニア症(CL)はサンショウバエが媒介する寄生虫感染症である。2002年8月―2004年2月、Department of Defense(DoD)スタッフは南西/中央アジアの3ヶ国(アフガニスタン、イラク、クウェート)に派遣された軍職員のうち522例を寄生虫学的にCLと確定した。このうちアイソザイム電気泳動法にて培養寄生虫種が確認された176例の病原体は、全てLeishmania majorであった。この報告では、これらCL症例のうちワシントンDCのWalter Reed Army Medical Centerにおいて5価アンチモン化合物スチボグルコネートナトリウムによる治療プロトコール実施下で人口統計学的データが体系的に収集された361例に焦点をあてる。361例中352例(98%)は男性で、274例(76%)は非ラテンアメリカ系白人、54例(15%)は非ラテンアメリカ系黒人、25例(7%)はラテンアメリカ系で、年齢中央値は25歳(18―57歳)であった。4例以外はイラクでの感染例と思われた。皮膚病変発現日(自己申告)は2002年5月―2004年1月で、274例は2003年8月―11月、169例は9月―10月に発症していた。DoDは南西/中央アジアに派遣された米軍職員におけるCLリスク低下とCL患者の確認および治療の迅速化のための対策として、派遣職員に住環境の改善とこの地域ではリーシュマニア症が風土病であるということを認識させ個人的感染予防策実施の重要性について強調するとともに、媒介体のコントロール活動を行っている。南西/中央アジアあるいはリーシュマニア症が風土病である他の地域に派遣されていた軍職員において持続的皮膚病変がみられた場合、健康管理者はCLを考慮するべきである。
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