ホームIMICライブラリMMWR抄訳2004年(Vol.53)パートナーへの性行為感染症通知のためのインターネッ・・・
2004/02/27Vol. 53 / No. 7
MMWR53(6):129-131
Using the Internet for Partner Notification of Sexually Transmitted Diseases - Los Angeles County, California, 2003
18歳以上の人々によるインターネットアクセスの約1/3は、性関連のウェブサイトやチャットルームなどへのものである。バーチャルセックスと呼ばれるものには性行為感染症(STD)の伝播リスクはないが、実際に性行為を行うパートナーを探すためのインターネット利用にはSTD伝播リスクがある。この報告では、性的パートナーにインターネットを通じてSTDの情報を通知したカリフォルニア州ロサンゼルス郡での事例2件を紹介する。2002年12月、皮疹とインフルエンザ様症状の発現を訴えたHIV感染症の32歳男性が、その後梅毒と診断された。2003年2月、Los Angeles County Department of Health Services(LACDHS)は電話インタビューにてこの男性が6ヶ月間にインターネットを通じて134名の男性セックスパートナーと会ったことを確認した。このうち29名は重複例であった。LACDHSはe-メールアドレスが判明したセックスパートナー111名に対し、健康上の緊急問題について警告し、できる限り早く記載された電話番号に電話するよう、e-メールでメッセージを送った。またこのメッセージは秘密の通知であることも記した。メッセージを受け取った111名中29名(26%)から返信があり、連絡がとれた。また2003年1月に皮疹を主訴として救急部を受診した31歳の男性は、3月3日に梅毒と診断された。LACDHSはインタビューにて彼が感染期間中にインターネットを通じて16名男性セックスパートナーと会ったことを確認し、それらパートナーに自分の感染についてe-メールでメッセージを送るよう依頼した。その後この男性は、LACDHSに16名のe-メールアドレスと男性がセックスパートナーに送った13通のe-メールメッセージのコピーを提出した。返事がきた13名中7名について、梅毒検査を計画した。地域の公衆衛生局は、インターネットを利用してSTD伝播を減少させる戦略を開始するべきである。この他のインターネット利用戦略としては、男性同性愛者(MSM)のアクセス頻度が高いウェブサイド上での健康教育や予防メッセージの提供などがある。
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