ホームIMICライブラリMMWR抄訳2004年(Vol.53)アジアにおける鳥インフルエンザ(H5N1)の流行と・・・
2004/02/13Vol. 53 / No. 5
MMWR53(5):97-100
Outbreaks of Avian Influenza A (H5N1) in Asia and Interim Recommendations for Evaluation and Reporting of Suspected Cases - United States, 2004
家禽類における高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)の発生は韓国(’03年12月12日)から報告され、次いでベトナム(’04年1月8日)、日本(1月12日)、タイ(1月23日)、カンボジア(1月24日)、中国(1月27日)、ラオス(1月27日)、インドネシア(2月2日)で確認された。ベトナムでは2月9日現在、ヒト感染例が18例(4―30歳、うち10例は18歳未満)報告され、13例が死亡しており、タイでは4例(いずれも6―7歳男児)および58歳女性における感染が確認され、全例死亡している。タイおよびベトナムの感染例から分離されたH5N1ウイルスは鳥由来であり、’97年および’03年に香港にて分離されたH5N1ウイルスとは抗原性が異なり、抗インフルエンザ薬(アマンダジン、リマンタジン)耐性であることが示唆されている。CDCは国内の医療関連機関や医師に対して鳥インフルエンザに感染した可能性のある患者の特定と感染が疑われた場合の感染予防対策の実行を推奨しており、X線検査にて急性呼吸促進症候群(ARDS)または重症呼吸器疾患を示し、鳥およびヒトでのH5N1ウイルス感染が発生している地域へ旅行後10日以内に発症した入院症例にはH5N1ウイルス検査を行うことを提言している。さらに38℃以上の発熱、咳、咽頭痛、息切れ、ニワトリや飼い鳥、H5N1感染例と、H5N1流行域への渡航者との接触がある症例に対しても検査を行うよう勧告している。研究室での検査基準は、生物学的安全基準(BSL)2施設でのPCR法でも検出可能であるが、病原性が高いためBSL3+を満たす施設での検査を推奨している。
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