ホームIMICライブラリMMWR抄訳2004年(Vol.53)輸入感染乳児に関連した麻疹のアウトブレイク-アラバ・・・
2004/01/23Vol. 53 / No. 2
MMWR53(2):30-33
Measles Outbreak Associated with an Imported Case in an Infant - Alabama, 2002
アメリカでは麻疹の地域伝播はまれである。2002年10月19日-11月15日、アラバマで起こった麻疹のアウトブレイクについて報告する。2002年11月3日、皮疹発現により10月28日-31日に入院した生後10ヶ月の乳児3例で麻疹が疑われた。3例とも同一の保育所施設に通っていた。ADPH(Alabama Department of Public Health)は、これら乳児3例と、同一保育所施設の同じ部屋にいた別の2例(生後9ヶ月、生後10ヶ月)を麻疹と確定した。さらにこれら麻疹確定例と皮疹発現前後4日間に接触した者について調査を行い、新たに乳児6例、成人2例(31歳男性、50歳女性)で麻疹感染を確認した。乳児11例(年齢中央値:11ヶ月、女児:7、男児:4)は全例とも同一保育所施設の同じ部屋いたことが判明した。症状として全例が皮疹、発熱、鼻感冒、咳を、12例(92%)が結膜炎を有し、4例(31%)は入院した。10例より採取した鼻咽頭・尿検体全てが、ウイルス培養またはPCR法にて麻疹陽性であった。ウイルス分離株の遺伝子型はフィリピンでの伝播が知られているD3型と同定された。乳児11例と成人1例は、麻疹ワクチンの接種を受けていなかった。ADPHとCDCが疫学調査を実施した結果、これら13例のうち原因不明の発熱のため10月19日-23日に入院していた生後9ヶ月の乳児は最近フィリピンから帰国しており、麻疹アウトブレイクはこの患者における輸入ウイルスが原因と決定した。乳児、特に麻疹が風土病となっている地域に最近旅行した乳児において皮疹を伴う有熱性疾患がみられた場合には、引き続き鑑別診断時に麻疹を考慮する必要がある。
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