ホームIMICライブラリMMWR抄訳2003年(Vol.52)最新情報:死体硬膜移植に関連したクロイツフェルト-・・・
2003/12/05Vol. 52 / No. 48
MMWR52(48):1179- 1181
Update: Creutzfeldt-Jakob Disease Associated with Cadaveric Dura Mater Grafts - Japan, 1979-2003
1997年、厚生労働省の財政支援を受けてクロイツフェルト-ヤコブ病(CJD)の調査を行っている日本の非政府機関は、死体硬膜移植片の移植に関連したCJD43例を報告した。2003年3月現在も日本での調査は続けられており、硬膜移植関連CJDはさらに54例確認されている。これら97例は1978-1991年に硬膜移植を受け、1985年9月-2002年4月に発症した。発症年齢中央値は58(15-80)歳で、58例(60%)は女性であった。20例(21%)は神経病理学的にCJDと確定診断され、残る77例中65例(84%)はCJD特有の脳波所見を示した。これら患者において硬膜移植が必要とされた疾患は、腫瘍(46例)、脳出血(14例)、顔面神経麻痺(13例)および三叉神経痛(6例)に対するJannetta手術、頭蓋内動脈瘤(8例)、非特異的奇形(5例)、血腫(3例)、外傷(1例)、脊椎後縦靱帯骨化症(1例)であった。潜伏期間は14ヶ月(1987年移植、1989年発症)-275ヶ月(1978年移植、2001年発症)で、潜伏期間中央値は122ヶ月、平均潜伏期間は125ヶ月であった。1987年、硬膜移植片製造業者はCJD伝播のリスクを低下させるため関連製品の収集法や処理法を変更した。97例中93例は1978-1987年に移植を受けており、1988-1991年に移植を受けたのは4例であった。86例(89%)は硬膜移植片としてLYODURAを移植された。LYODURA移植後17年間にCJDを発症する最低リスクは、レシピエント1,250例あたり1例と概算された。1991年以降に初回硬膜移植を受けた患者ではCJDの報告はないが、潜伏期間が長いため今後さらに移植関連CJD症例が報告される可能性がある。2003年9月現在、日本ではさらに5例が硬膜関連CJDの疑いにて調査中である。
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