ホームIMICライブラリMMWR抄訳2003年(Vol.52)HIV診断の増加-29州,1999~2002年
2003/11/28Vol. 52 / No. 47
MMWR52(47):1145- 1148
Increases in HIV Diagnoses - 29 States, 1999-2002
1996年に高活性抗ウイルス療法(HAART)が開発されて以来、HIV感染と診断されてからAIDSを発症するまでの期間が延長し、AIDSサーベイランスのみではHIV伝播パターンを予測することが難しくなった。今回、CDCは国内29州における1999-2002年のHIV/AIDS調査結果からHIVの診断の傾向を分析した。HIV診断例は全体で102,590例[男72,323(70.5%)女30,264(29.5%)]であった。人種/民族別では非ラテンアメリカ系黒人[56,872例(55.4%)]が最も多く、男性例の48.6%、女性例の71.8%を占め、次いで非ラテンアメリカ系白人32,077例(31.3%)、ラテンアメリカ系11,829例(11.5%)と続いた。感染経路は男性では同性愛者(MSM)間での接触が59.7%、異性愛者間での接触が17.8%、静注ドラッグの共用が15.8%、女性では異性愛者間での接触が76.7%、静注ドラッグ共用が20.3%であった。1999-2000年の新規HIV診断例は男性で7.3%(1999年:17,556例、2002年:18,843例)、特にMSMでは17.0%(同9,988例、11,686例)増加し、女性では年間約7,500例でほぼ一定であった。人種/民族別では、ラテンアメリカ系26.2%(同2,622例、3,308例)、非ラテンアメリカ系白人8.1%(同7,716例、8,341例)の増加であった。HIV感染例のうち、AIDSと診断された症例数に有意な変動は認められなかったが、同月比較では9.3%(18,712例から20,443例)増加した。今回の調査により、HIV感染例数は男性、特にMSM、非ラテンアメリカ系白人、ラテンアメリカ系で増加していることが判明した。これらの人々での感染拡大を予防する新たな予防戦略が必要である。
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