ホームIMICライブラリMMWR抄訳2003年(Vol.52)重症急性呼吸器症候群(SARS)流行中の隔離策の効・・・
2003/10/31Vol. 52 / No. 43
MMWR52(43) : 1037-1040
Efficiency of Quarantine During an Epidemic of Severe Acute Respiratory Syndrome - Beijing, China, 2003
2003年3-7月、中国北京市では2,521例(人口10万人あたり19人)に重症急性呼吸器症候群(SARS)が疑われ、感染拡大防止策として、さらなる調査、個人防護具(PPE)の使用、SARS患者およびSARS患者と接触した人の隔離が実施された。隔離対象者は、SARS患者と30分以上の接触があり、かつSARS患者の治療中にPPEを使用しなかった医療従事者、SARS患者をケアした家族、SARS患者と同じ建物の居住者、SARS患者を訪問した人、SARS患者と同じ職場であった人、SARS患者の同級生や教師、SARS患者と同じ公共交通機関の利用者とし、接触後14日間は隔離した。3月1日-5月23日に北京市Haidian地方では計5,186名(人口224万人の0.23%に相当)が隔離された。このうち1,210例を対象に調査が実施された。完全なデータが得られた1,028例(85%)の隔離期間は1-28(中央値14)日間で、隔離期間中に232例(2.3%)がSARS疑い例となった。SARS患者との接触により隔離された626名のうち、SARS発症患者をケアした人ではSARS疑い例となる率が高かったが、潜伏期間中のSARS患者と接触した人ではリスクはなかった。また、隔離中にSARS疑い例となった患者による二次感染はなかった。包括的なSARS予防プログラムにおける隔離策は、家庭や病院でSARS発症患者と接触した人に限定して行うべきである。
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