一般財団法人 国際医学情報センター 信頼できる医学・薬学・医療情報を適切に提供することによって健康社会に貢献します。

一般財団法人 国際医学情報センター

IMICライブラリ IMIC Library

ホームIMICライブラリMMWR抄訳2003年(Vol.52)米軍隊員における皮膚リーシュマニア症-南西/中央ア・・・

MMWR抄訳

rss

2003/10/24Vol. 52 / No. 42

MMWR52(42) : 1009-1012
Cutaneous Leishmaniasis in U.S. Military Personnel - Southwest/Central Asia, 2002-2003

米軍隊員における皮膚リーシュマニア症-南西/中央アジア,2002~2003年

熱帯、亜熱帯、ヨーロッパ南部へ渡航または居住した軍関係者は、風土病である皮膚リーシュマニア症(CL)感染のリスクを有する。2002-2003年に南西/中央アジアの3ヶ国(アフガニスタン、イラク、クウェート)でCLを発症した米軍隊員22例について予備データを報告する。これら22例[年齢中央値29(21-48)歳、男性21例]の米軍内の所属部門は様々で、18例(82%)はイラク、特にナシリアとバクダッドの都市部および都市近郊、2例(9%)はクウェートとイラクとの国境地帯で感染したと考えられており、他の2例(9%)はアフガニスタンで感染した。皮膚病変に気づくまでの派遣期間中央値は60(21-150)日、自己報告による病変発症日は2002年5月-2003年8月であった。患者は2002年8月-2003年9月にワシントンDCのWalter Reed Army Medical Center(WRAMC)を受診した。全例とも直径3-40mmの皮膚病変を1-9ヶ所に認め、病変発症部位は上肢(39%)と下肢(32%)が体幹/背部(16%)、顔面/頚部(13%)より多かった。病変は無痛性で徐々に拡大し、最終的に中央部が潰瘍化するという典型的なもので、全身症状はみられなかった。17例(77%)は組織光学顕微鏡検査にて寄生虫が確認された。また寄生虫に関する組織培養を行った19例中14例(74%)から陽性結果が得られた。10月20日までに培養検査を行った9例全例が森林型熱帯リーシュマニアに感染していた。全例がスチボグルコン酸ナトリウム(20mg/kg/日、20日間静注)による治療を受けた。病変の治療反応性は良好であったが、可逆性の副作用(疲労感、関節痛、筋肉痛、頭痛、薬剤性膵炎)が発現した。リーシュマニア属原虫のベクターである雌サシチョウバエの調査が、米軍が派遣されているイラクの都市部およびその近郊で実施された。2000年4-9月に採取された雌サシチョウバエにおける感染率は1.4%(326/23,877匹)であった。アメリカの医療機関は、南西/中央アジアまたはリーシュマニア症が風土病である他の地域へ派遣され、慢性皮膚病変のみられる者に対しCLの可能性を考慮すべきである。

References

  • Herwaldt BL. Leishmaniasis. Lancet 1999;354:1191-9.
  • Martin S, Gambel J, Jackson J, et al. Leishmaniasis in the United States military. Mil Med 1998;163:801-7.
  • Hyams KC, Hanson K, Wignall FS, Escamilla J, Oldfield EC 3rd. The impact of infectious diseases on the health of U.S. troops deployed to the Persian Gulf during Operations Desert Shield and Desert Storm. Clin Infect Dis 1995;20:1497-504.
  • Herwaldt BL, Stokes SL, Juranek DD. American cutaneous leishmaniasis in U.S. travelers. Ann Intern Med 1993;118:779-84.
  • Vega-Lopez F. Diagnosis of cutaneous leishmaniasis. Curr Opin Infect Dis 2003;16:97-101.
  • Wortmann G, Sweeney C, Houng H-S, et al. Rapid diagnosis of leishmaniasis by fluorogenic polymerase chain reaction. Am J Trop Med Hyg 2001;65:583-7.
  • Ashford RW, Kohestany KA, Karimzad MA. Cutaneous leishmaniasis in Kabul: observations on a 'prolonged epidemic'. Ann Trop Med Parasitol 1992;86:361-71.
  • World Health Organization. WHO communicable disease profile for Iraq, 2003:39-43. Available at <http://www.who.int/infectious-diseasenews/IDdocs/whocds200317>.
  • Desjeux P. Leishmaniasis: public health aspects and control. Clin Dermatol 1996;14:417-23.
  • Magill AJ, Grogl M, Gasser RA Jr, Sun W, Oster CN. Visceral infection caused by Leishmania tropica in veterans of Operation Desert Storm. N Engl J Med 1993;328:1383-7.

このコンテンツに「いいね」する

ページトップへ

一般財団法人 国際医学情報センター

〒160-0016 
東京都新宿区信濃町35番地 信濃町煉瓦館
TEL:03-5361-7080 (総務課)

WEBからのお問い合わせ

財団や各種サービスについてのお問い合わせ、お見積もりのご依頼、
サービスへのお申し込みはこちらをご覧ください。

お問い合わせ