ホームIMICライブラリMMWR抄訳2003年(Vol.52)最新情報:多州にわたるサル痘の大発生-イリノイ,イ・・・
2003/06/20Vol. 52 / No. 24
MMWR52(24) : 561-564
Update: Multistate Outbreak of Monkeypox - Illinois, Indiana, Kansas, Missouri, Ohio, and Wisconsin, 2003
6月18日現在、CDCには87例のサル痘症例が報告されている[男41女46、年齢中央値28(1-55)歳、ウィスコンシン38、インディアナ24、イリノイ19、オハイオ4、カンザス1、ミズーリ1]。症状は5月15日-6月13日に発現し、分析可能例75例中20例(27%)が入院した。小児1例が水疱疹発現から3日後に重症の脳炎を来たし入院したが、その他は軽症例が多く、CDCによる確定診断例は20例(23%)であった。ほとんどの症例が野生または輸入されたプレーリードッグなどの哺乳類との接触があり、インディアナ州ではデイケアに参加していた28名の小児が、後に病死したプレーリードッグ2匹に曝露、直接手を触れた12名のうち7名(25%)がサル痘を発症した。イリノイ、インディアナ、オハイオ、ウィスコンシン州の82例の臨床検体がCDCで検査され、皮疹部位の27検体中20検体(74%)がサル痘ウイルス陽性と確認された(陰性検体4)。ウィスコンシン州ではヒトからヒトへの感染が疑われる医療従事者2名の検査が行われた。血液、鼻咽頭および/または口腔咽頭塗抹標本からサル痘特異的DNAは検出されておらず、現在培養検査が行われている。ガンビアネズミを含む小動物(リス、ヤマアラシ、ヤマネなど8種類約800匹)がガーナから輸送され、テキサス州の輸入業者(C)に納品された後、4月9日にイリノイ州の業者(B)へ販売された。Bではプレーリードッグとガンビアネズミを近接させて飼っていた。このBからウィスコンシン州の動物業者(A)がプレーリードッグを仕入れた。ガンビアネズミはアフリカのサル痘が風土病である地域から輸入されることが多く、このガンビアネズミが感染源と考えられている。現在これらの動物の検査と同時に動物の売買ルートの調査も進められているが、一部で個人売買されたため記録がなく、特定は困難と考えられた。CDCではサル痘予防および処置として、天然痘ワクチン、cidofovir、ワクシニア免疫グロブリン(VIG)接種を推奨している。
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