ホームIMICライブラリMMWR抄訳2003年(Vol.52)最新情報:インフルエンザ活性-アメリカおよび世界の・・・
2003/06/06Vol. 52 / No. 22
MMWR52(22) : 516-521
Update: Influenza Activity - United States and Worldwide, 2002-03 Season, and Composition of the 2003-04 Influenza Vaccine
WHOとNational Respiratory and Enteric Virus Surveillance System(NREVSS)の集計データによると、アメリカでは2002年9月29日-2003年5月17日にインフルエンザ検査を行った94,966検体中11,027検体(11.6%)がインフルエンザ陽性であった[インフルエンザA型6,324検体(57%)、B型4,703検体(43%)]。A型3,381検体のうち2,534検体(75%)がA(H1)型、847検体(25%)がA(H3N2)型であった。地域別では、ニューイングランド地方、東北中部、太平洋岸、山岳部、中部大西洋でA型、西北中部、西南中部、南大西洋、東南中部でB型優勢であった。CDCによる抗原性検査(n=626)では、インフルエンザA(H1)型267[ノイラミニターゼN1:193(72%)、N2:66(25%)]、A(H3N2)型105、B型254検体であった。赤血球凝集素タンパク質はA(H1)型267検体では全てA/New Caledonia/20/99(H1N1)、A(H3N2)型105検体中98(93%)はA/Panama/2007/99(2002-2003年シーズンワクチン成分)に類似していた。一方、B型254検体では253検体(99%)がB/Victoriaに属しB/Hong Kong/330/01に類似、1検体(1%)がB/Yamagataに属しB/Shizuoka/15/01、B/Sichuan/379/99様ウイルスに類似していた。インフルエンザ様疾患(ILI)による受診者数は2月8日の週(第6週)がピーク(3.2%)となったが、肺炎およびインフルエンザ(P&I)による死亡者数は流行閾値を超えない範囲であった。ヨーロッパ(チェコ、ドイツ、イタリア、オランダ、ポーランド、ロシア、スイス)とアジア(日本、香港、韓国)などではA(H3N2)型、カナダ、メキシコなどではA(H1)型、ベルギー、イギリス、フランス、ポルトガル、ルーマニア、スペインなどではB型が優勢であった。香港では鳥型インフルエンザA(H5N1)ウイルス感染が2例(9歳男児とその父親)、オランダではブタ、ヒトにおいて鳥型インフルエンザA(H7N7)型ウイルス感染が数例、さらにベルギーやドイツでは鳥への感染が報告された。4月25日現在、オランダでは養鶏所労働者83名での感染が確認され、79例が結膜炎を発症、うち6例はILI症状も呈していた。FDAのVaccines and Related Biological Products Advisory Committee(VRBPAC)は、分離菌の抗原性や血清学的検査結果から、アメリカの2003-2004年期のインフルエンザワクチン成分はA/New Caledonia/20/99(H1N1)、A/Moscow/10/99(H3N2)、B/Hong Kong/330/01様ウイルスを推奨している。これを受けて現在8,000-8,500万人分のワクチン製造が計画されている(前年比1,000-1,500万人分減)。
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