ホームIMICライブラリMMWR抄訳2003年(Vol.52)最新情報:重症急性呼吸器症候群(SARS)-アメリ・・・
2003/05/23Vol. 52 / No. 20
MMWR52(20) : 466- 468
Update: Severe Acute Respiratory Syndrome - United States, May 21, 2003
CDCはWHOなどとともに重症急性呼吸器症候群(SARS)について調査を続けている。世界各地とアメリカのSARS患者に関する情報を更新し、アメリカのSARS患者定義の変更点を示す。2002年11月1日-2003年5月21日、WHOにはアメリカを含む28ヶ国から7,956例のSARS患者が報告され、うち666例が死亡した(死亡率8.4%)。アメリカでは40州から355例のSARS患者が報告されている。うち290例(82%)は疑い例、65例(18%)は可能性例(肺炎や急性呼吸窮迫症候群を有する重度の疾患)に分類された。前回の更新以降、可能性例1例と疑い例9例が新たに確認されたが、以前よりも1週間の新規症例数は減少していた。可能性例65例中41例(63%)は入院し、2例(3%)は機械換気が必要であったもののSARS関連死は報告されなかった。これら65例中63例(97%)は発症前10日間にSARS関連地域への渡航歴があり、残る2例(3%)はSARS患者を治療した医療従事者とSARS患者と接触した家族であった。63例の渡航先は33例(52%)が中国本土、19例(30%)が香港、6例(10%)がシンガポール、2例(3%)がハノイ、9例(14%)がトロント、1例(2%)が台湾で、うち5例(8%)は発症前10日間に2ヶ所以上のSARS関連地域を訪れていた。122例(可能性例26、疑い例96)がSARS関連コロナウイルス(SARS-CoV)の感染確認検査を終了した。SARS-CoV感染確認症例数は6例(可能性例)と前回の更新から増加はみられず、116例(可能性例20、疑い例96)は陰性所見を示した。CDCサーベイランス患者定義には、新規あるいは以前報告されたSARS疑い例/可能性例の中からSARS以外の疾患であると十分に説明できる患者を除外するための暫定的基準が新たに盛り込まれた。また渡航曝露の疫学的基準も、SARS地域での市中伝播発生に関する最新情報を反映させて変更した。ハノイとトロントは最終報告例の発症から30日以上経過しているため、これら地域への渡航警告はそれぞれ5月15日、5月20日に解除された。
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