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MMWR抄訳

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2003/05/16Vol. 52 / No. 19

MMWR52(19) : 441-444
Motivational Intervention to Reduce Alcohol-Exposed Pregnancies - Florida, Texas, and Virginia, 1997-2001

アルコール曝露妊娠の低下のための動機付け介入-フロリダ,テキサス,バージニア州,1997~2001年

女性が妊娠に気付くのは妊娠3ヶ月に入ってからが多く、胎児の発達に最も重要な期間に妊娠の自覚のないままアルコールの摂取を継続している可能性がある。1999年の調査では約50万人は妊娠が発覚する前月の間に週1杯以上、うち13万人は週7杯以上のアルコールを摂取していたと報告されている。妊娠期のアルコールの大量摂取は胎児アルコール症候群(FAS)やアルコール性神経発達障害(ARND)と関連があり、少量摂取でも子供の成長や行動に影響を与える。CDCは1997年より妊婦のアルコール消費減量とアルコール曝露妊娠の危険性が高い出産可能年齢女性への避妊勧告を目的としたプロジェクト(Project CHOICES)を展開している。今回、フロリダ、テキサスおよびバージニア州の刑務所、低所得者用産婦人科診療所、アルコール/薬物中毒治療施設等のアルコール曝露妊娠の危険性が高い出産可能年齢女性を対象とした調査結果がまとめられた。計2,384名の女性のうち230例が適格例と判断され、190名が調査に参加した。平均年齢は31(18-44)歳、45%が非ラテンアメリカ系黒人、37%が非ラテンアメリカ系白人、9%がラテンアメリカ系であった。147名(77%)が高卒以上の学歴を有し、121名(64%)が年収2万ドル未満であった。また188名(99%)が前6ヶ月間に1回以上飲み騒ぐ機会があり、123名(63%)は頻繁に飲酒していたと回答した。調査開始前と観察期間6ヶ月間の避妊およびアルコール摂取に関するデータが得られた女性は143名(75%)であった。アルコール摂取状態を表すAUDITスコアは平均17(1-40)であり、程度により低スコア(1-7)、中スコア(8-18)、高スコア(19-40)の3群に分けた。観察期間中アルコール減量(週8杯以下または1日5杯以下)または適切な避妊措置を行った場合、アルコール曝露妊娠の危険性はないと判断した。低スコア群では避妊措置による危険回避が22名(73%)と高く、減量による回避は11名(37%)にとどまった。中/高スコア群ではそれぞれ28名(51%)、30名(52%)が避妊措置、34名(62%)、33名(57%)が減量を行い、低スコア群と対照的に減量による危険回避率が高かった。全体の回避率は低スコア群90%、中スコア群67、高スコア群59%と低スコア群で有意に高値であった。

References

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