ホームIMICライブラリMMWR抄訳2003年(Vol.52)最新情報:重症急性呼吸器症候群(SARS)-アメリ・・・
2003/05/16Vol. 52 / No. 19
MMWR52(19) : 436-438
Update: Severe Acute Respiratory Syndrome - United States, May 14, 2003
CDCはWHOなどとともに重症急性呼吸器症候群(SARS)について調査を続けている。世界各地とアメリカのSARS患者に関する情報を更新する。2002年11月1日-2003年5月14日、WHOにはアメリカを含む29ヶ国から7,628例のSARS患者が報告され、うち587例が死亡した(死亡率7.7%)。アメリカでは38州から345例のSARS患者が報告されている。うち281例(81%)は疑い例、64例(19%)は可能性例(肺炎や急性呼吸窮迫症候群を有する重度の疾患)に分類された。可能性例64例中44例(69%)は入院し、3例(5%)は機械換気が必要であったもののSARS関連死は報告されていない。可能性例64例中62例(97%)は発症前10日間にSARS関連地域への渡航歴があり、残る2例(3%)はSARS患者を治療した医療従事者とSARS患者と接触した家族であった。可能性例62例の渡航先は35例(56%)が中国本土、18例(29%)が香港、6例(10%)がシンガポール、3例(5%)がハノイ、8例(13%)がトロントで、うち7例(11%)は発症前10日間に2ヶ所以上のSARS関連地域を訪れていた。SARS関連コロナウイルス(SARS-CoV)の感染確認検査は96例(可能性例23、疑い例73)で終了した。完全な検査結果が得られた可能性例20例中6例でSARS-CoV感染が確認された。これら6例は以前の報告例であり、新たな確認例はなかった。疑い例73例は全例とも検査にて感染が確認されなかった。90例(疑い例73、可能性例17)は陰性所見を示した。前回の更新以降、アメリカでのSARSの疫学的な変化はほとんどみられていない。CDCはSARSの輸入および帰航者による拡大の予防活動として、SARS関連地域からの旅行者の搭乗前スクリーニング、同地域から到着した有病者の健康局による評価、全乗客への健康に関する注意喚起、SARS疑い症状がみられるアメリカ住民の早期確認と隔離を行っている。
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