ホームIMICライブラリMMWR抄訳2003年(Vol.52)最新情報:重症急性呼吸器症候群(SARS)-アメリ・・・
2003/05/02Vol. 52 / No. 17
MMWR52(17) : 388-391
Update:Severe Acute Respiratory Syndrome - United States, 2003
CDCはWHOなどとともに重症急性呼吸器症候群(SARS)について調査を続けている。2002年11月1日-2003年4月30日、WHOにはアメリカを含む26ヶ国から5,663例のSARS患者が報告され、うち372例が死亡した(死亡率6.6%)。アメリカ居住者におけるSARS患者の情報を更新し、CDCが発表した渡航警告および渡航勧告の概要を紹介する。4月30日現在、アメリカでは38州から289例のSARS患者がCDCに報告されている。うち233例(81%)は疑い例、56例(19%)は可能性例(肺炎や急性呼吸窮迫症候群を有する重度の疾患)に分類された。SARS関連コロナウイルス(SARS-CoV)感染を確認するための検査は60例で行われ、6例(可能性例)が陽性、54例(疑い例:41、可能性例:13)が陰性であった。可能性例56例中37例(66%)は入院し、2例(4%)は人工呼吸器が必要であった。これら56例中1例(2%)はSARS患者を治療した医療従事者で、1例(2%)は家族がSARS患者と接触しており、残る54例(96%、SARS-CoV陽性であった6例を含む)は中国本土、香港、シンガポール、ハノイ、トロントへの渡航歴があった。4月30日現在、アメリカではSARSアウトブレイクコントロール対策として渡航警告(ハノイ、トロント)および渡航勧告(香港、台湾、中国本土、シンガポール)を発表するとともに、SARS発生地域から到着した旅行者に対し、SARSの症状がみられた場合、速やかに治療を受けるよう警告している。さらに、貨物船およびクルーズ船の乗員、乗客に対しても同様の注意を喚起している。
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