2003年1月24日－4月18日、アメリカでは天然痘ウイルスを用いたテロ攻撃に対する準備として54管轄地域内の民間の医療従事者および保健所職員33,444名に天然痘ワクチンの接種を行った。Vaccine Adverse Event Reporting System(VAERS)からCDCに報告された一般市民における天然痘ワクチンによる副作用情報を更新する。4月18日現在、心筋心膜炎は10例報告され、うち1例は4月14日－18日に報告された。また同時期、急性心筋梗塞(MI)1例、全身性痘疹1例、接種部位の接触による痘疹2例、その他の重度の副作用9例(非定型胸痛1例、無酸素性脳症1例を含む)、重度でない副作用42例が報告された。1月24日－4月18日に報告された重度でない副作用発現例369例において最も高頻度にみられた徴候と症状は、発熱(78例)、発疹(69例)、頭痛(56例)、疼痛(56例)であった。ワクチン接種プログラム実施中、種痘性湿疹、多形性紅斑、致死的な痘疹、痘疹後の脳炎または脳脊髄炎、進行性痘疹、接種部位の化膿性感染は報告されていない。4月14－4月18日に接種後の針をバイアル内に戻すという不注意によるワクチンバイアル汚染の情報を受けた。その後針は処分されたが、そのワクチンは他者に接種された。検査の結果、汚染ワクチンはB型肝炎、C型肝炎、HIV陰性であったが、さらにこのイベントに関連したエビデンスについて調査中である。ワクチン接種プログラム中、一般市民の接種者同士の天然痘伝播はみられなかったが、軍関係の接種者から一般市民接触者への伝播は14例報告された。