ホームIMICライブラリMMWR抄訳2003年(Vol.52)最新情報:天然痘ワクチン接種による副作用-アメリカ・・・
2003/04/04Vol. 52 / No. 13
MMWR52(13) : 278- 282
Update: Adverse Events Following Smallpox Vaccination - United States, 2003
2003年1月24日-3月28日、アメリカでは天然痘ウイルスを用いたテロ攻撃に対する準備として54管轄地域内の民間の医療従事者および保健所職員29,584名に天然痘ワクチンの接種を行った。この天然痘ワクチン接種プログラム開始後、ワクチンを接種された一般市民10例と軍関係者15例(心筋炎:14、致死性心筋梗塞:1)で心臓系副作用の発症が報告された。天然痘ワクチンを接種した一般市民のうち3月24日-30日に新たに報告された心臓系副作用発症例3例(心筋心膜炎:2、心筋梗塞:1)と以前報告された7例、軍関係者3例(心筋心膜炎:2、致死性心筋梗塞:1)についてのデータ、3月30日現在の一般市民ワクチン接種プログラムに報告されている副作用全件に関する最新情報を要約する。3月30日現在、一般市民において天然痘ワクチンによる致死的な副作用を発症した症例または痘疹伝播例は報告されていない。1月24日-3月30日に軽度の副作用は計192件報告されており、症状として発熱(n=42)、発疹(n=39)、頭痛(n=34)、そう痒(n=32)がみられた。CDC、FDA、州衛生局と国防総省は、ワクチンを接種した一般市民および軍関係者におけるワクチンによる副作用について現在も調査中である。副作用発症の特徴やAdvisory Committee on Immunization Practicesからの指導に基づき、CDCは天然痘ワクチン接種対象者のスクリーニングと除外に関する勧告を改訂し、心疾患や虚血性心臓血管疾患患者、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、喫煙などの危険因子を有する者は接種プログラムから除外すべきとした。
Copyright © 2013 International Medical Information Center. All Rights Reserved.