d9麻疹ウイルスの伝播欠如－南北アメリカ地域,2002年11月～2003年3月

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MMWR抄訳

2003/03/21Vol. 52 / No. 11

MMWR52(11) : 228- 229
Absence of Transmission of the d9 Measles Virus - Region of the Americas, November 2002-March 2003

d9麻疹ウイルスの伝播欠如－南北アメリカ地域,2002年11月～2003年3月

1994年、南北アメリカ地域の国々は土着の麻疹伝播を遮断するための目標を設定し、1996年に目標達成のための活動計画を開始した。Pan American Health Organization(PAHO)推奨の麻疹ワクチン接種戦略には、1－14歳の全ての小児に全国的規模でワクチンを一度投与する”catch up”キャンペーン、1歳乳児へ定期的にワクチンを接種する”keep up”キャンペーン、1－4歳の全ての小児を対象に3－4年ごとに全国規模でワクチンを接種する“follow up”キャンペーンが盛り込まれた。南北アメリカ地域で報告された麻疹患者数は、1997年53,683例から2001年541例と99%減少した。また1995年以降、アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、ドミニカ、ハイチで流行したD6麻疹ウイルス遺伝子型の伝播は、2001年9月に遮断された。しかし同時期、d9遺伝子型麻疹ウイルスがヨーロッパ旅行から帰国したベネズエラ人によりベネズエラに輸入され、2002年1月にコロンビア、さらに11月にベネズエラで大発生した。アウトブレイク中、コロンビアでは140例、ベネズエラでは2,501例の患者が報告された。2003年3月16日現在、南北アメリカ地域ではd9麻疹ウイルスの伝播は17週間報告されていない。この間、1,066例に麻疹が疑われたが、846例(79%)は麻疹IgM抗体陰性で、調査中の216例(20%)も麻疹アウトブレイクとは無関係と思われる。また、4例は麻疹と確認され、輸入ウイルスの関与が考えられた。今後、他国からの麻疹ウイルス輸入を遮断するため、ウイルス輸入リスクの高い地域の住民を対象としたワクチン接種活動の追加が必要と考える。

References

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