ホームIMICライブラリMMWR抄訳2003年(Vol.52)ポリオ根絶に向けた進展-インド,2002年
2003/03/07Vol. 52 / No. 09
MMWR52(9) : 172- 175
Progress Toward Poliomyelitis Eradication - India, 2002
インドにおける2002年のポリオ根絶活動状況、アウトブレイクに寄与する因子、今後のポリオ根絶活動についての概要。1988年5月のWHO総会によるポリオ根絶決議以降、全世界でのポリオ発生数は99%以上減少し、WHO管轄3地域(アメリカ、西太平洋、ヨーロッパ)ではポリオの根絶が確認されている。インドでは1995年にポリオ根絶活動が開始された。2001年までにポリオウイルス伝播は主に北部2州(Uttar Pradesh、Bihar)に限定されたが、2002年、主要地域でポリオウイルス伝播が再び大発生した。インドでの野生株ポリオウイルス感染症例数は2001年は268例であったが、2002年(2003年1月25日現在)は1,556例が報告された。うち1,445例(93%)は野生株ポリオウイルス1型(P1)、108例(7%)は野生株ポリオウイルス3型(P3)、3例(<1%)はP1およびP3混合感染で、1,218例(79%)はUttar Pradesh、119例(7%)はBiharで発生した。インドにおけるポリオウイルス伝播の持続は、経口ポリオウイルスワクチン(OPV)の不十分な接種によるところが大きい。2002年にウイルス伝播危険地域でのOPV接種率が低下した原因として、1999-2002年における全国的予防接種週間(NID)/地域的予防接種週間(SNID)の日数が減少したこと、2002年1月-9月にNIDやSNIDが実施されなかったこと、追加予防接種活動(SIA)の実施地域が縮小したこと、SIA中に多数の小児が接種を受けられなかったことが考えられる。2003年はさらに質の高いSIAの実施が計画されている。
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