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MMWR抄訳

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2003/02/28Vol. 52 / No. 08

MMWR52(8) : 149- 151
Pregnancy in Perinatally HIV-Infected Adolescents and Young Adults - Puerto Rico, 2002

HIVに母子感染した思春期および若年成人の妊娠-プエルトリコ,2002年

1990年代半ばに抗レトロウイルス(ARV)療法が導入されて以来、HIV母子感染者の平均余命が延長し、妊娠可能年齢に達したHIV母子感染女性数が増加している。1998年8月-2002年5月、プエルトリコではHIV母子感染者8例が計10回妊娠したことが確認された。これを受けて、Puerto Rico Department of Health(PRDOH)はCDCにこのような妊娠例の調査を依頼し、2002年4-8月、HIV母子感染妊婦を対象としたカルテ調査およびアンケートが実施された。HIV母子感染は、母親がHIV陽性またはHIVの危険因子をもち、それ以外に感染の危険因子がないものとした。妊娠した8例は年齢中央値18(15-22)歳、初回妊娠時年齢17(13-19)歳、うち6例7妊娠が生産児出産で、2月24日現在HIV母子感染は報告されていない。初回妊娠で生産児を出産した5例は出産前に何らかのケアを受け、4例(80%)は妊娠中もARV療法を継続していた。出生児にはジドブジンが予防投与された。妊娠中のウイルス負荷量は35,822(3,535-163,064)copies/mL、CD4数は218(19-956)cells/mm3で、ウイルス耐性検査を行った4例全例で遺伝子多型が認められた。また、8例中5例は望まない妊娠であったと回答し、2例は避妊具を使用していた。現在、6例がパートナーと一緒に生活し、また、1例は学生、妊娠のため2例が退学し、5例は他の理由で退学している。妊娠時年齢のマッチしたHIV母子感染/非妊娠例8例を対照としたところ、1999年以降のウイルス負荷量は妊娠例16,263(5,251-65,571)copies/mL、非妊娠例53,071(54-476,139)copies/mL、CD4数はそれぞれ251(72-1,296)cells/mm3、293(66-1,002)cells/mm3であった。対照群に比し妊娠例で退学が多く、そのような友人がいるのも妊娠例で多かった。HIV診断時年齢は妊娠例7(0-13)歳、非妊娠例4(2-13)歳、HIV感染を告知された年齢はそれぞれ13(12-15)歳、12(8-14)歳、初回性行為年齢は15(13-18)歳、17(15-18)歳と、HIV感染を自覚してから性交渉までの期間は妊娠例にて短く、性行為や妊娠/避妊のカウンセリング経験も妊娠例2例、非妊娠例5例と妊娠例で少なかった。CDCではHIV感染女性の出産については州保険局へ報告し、HIVに母子感染した思春期および若年成人の妊娠に関してはCDCへ報告するよう義務付け、HIVの感染動向をモニターしている。

References

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