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MMWR抄訳

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2003/02/14Vol. 52 / No. 06

MMWR52(6) : 101- 106
Trends in Aging - United States and Worldwide

高齢化の傾向-アメリカおよび世界的傾向

現在、出生率の低下、平均寿命の延長により世界的に平均年齢が上昇しており、今後、第2次世界大戦後のベビーブーム世代である65歳以上の人口が増加すると見込まれている。それに伴い高齢者に多い慢性疾患や身体的障害に関わる介護や医療費の問題が浮上している。2000年、アメリカにおける65歳以上の人口は3,500万人、80歳以上は930万人で、2030年にはそれぞれ7,100万人、1,950万人に増加すると推定されている。1995年、カリフォルニア、フロリダ、イリノイ、ミシガン、ニュージャージー、ニューヨーク、オハイオ、ペンシルバニアおよびテキサス州では高齢者数が100万人を超え、特にフロリダ州では人口の19%を占めた。2025年にはフロリダ州における高齢者数は26%に達し、アラスカおよびカリフォルニアを除く48州では15%以上となると推定されている。2000年から2030年に黒人、アメリカンインディアン/アラスカ原住民、アジア/太平洋諸国民は11.3%から16.5%、ラテンアメリカ系は5.6%から10.9%に増加すると推定されている。2000年における世界の65歳以上の人口は4億2,000万人で(前年比950万人増)、2000年から2030年には5億5,000万人から9億7,300万人、人口比率は6.9%から12.0%(ヨーロッパ : 15.5%から24.3%、北アメリカ : 12.6%から20.3%、アジア : 6.0%から12.0%、ラテンアメリカ/カリブ諸国 : 5.5%から11.6%)に増加すると考えられている。サハラ以南のアフリカでは出生率、死亡率ともに高率であることから高齢者数の増加は抑制され、2000年2.9%、2030年3.7%と推定されている。高齢者数の増加は発展途上国にて顕著で、2000年2億4,900万人から2030年6億9,000万人へ増加し、全世界の高齢者数のうち占める割合は59%から71%になるとみられており、その要因として過去30年間の出生率の低下が考えられる。高出生率/高死亡率から低出生率/低死亡率への変化に伴い人口統計学的な年齢分布が推移し、1990年には先進国において若年者と高齢者数がほぼ同数となり、2030年には発展途上国でも同様の変化が起こると予想されている。2001年の先進国の成人における主な死因は心疾患と癌で、発展途上国では感染症と寄生虫症であった。アメリカでは高齢者の約80%が少なくとも1つ、50%が2つ以上の慢性疾患を有しており、65歳以上の約1/5(18.7%)が糖尿病患者である。2000年における75歳以上の糖尿病患者数は女性120万人、男性80万人で、2050年にはそれぞれ440万人、420万人に増加すると推定されている。また、アルツハイマー患者も増加すると見込まれており、現在65歳以上の約10%、85歳以上の47%が罹患している。関節炎も65歳以上の約59%が罹患しており、重度の障害の原因となっている。高齢者数の増加は医療費の増大につながり、先進国では65歳未満に対する医療費の約3-5倍に及び、老人ホームや在宅看護に対する支出も1990-2001年で約2倍(1,320億ドル、アメリカ)となり、また2000年から2020年における長期的ケアの公的融資がアメリカ/イギリスでは20-21%、日本では102%増加すると推定されている。さらに高齢者扶養率の増加も懸念され、就業納税者数が減少した場合、公的資金が困難となり十分な支援が不能となる。今後の課題として、感染症対策や乳幼児に対する医療と同時に高齢者のQOL向上を目的とした積極的な予防的措置、情報提供などへの取り組みが重要である。

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