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MMWR抄訳

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2002/10/18Vol. 51 / No. 41

MMWR51(41) : 924- 927,2002
Q Fever - California, Georgia, Pennsylvania, and Tennessee, 2000-2001

Q熱-カリフォルニア,ジョージア,ペンシルバニアおよびテネシー州,2000-2001年

Q熱はダニによる媒介または家畜(ヒツジ、ヤギ、ウシなど)の分泌物や排泄物から感染し、潜伏期間9-20日、40℃の発熱、肝炎および肺炎を特徴とする。大動脈弁疾患症例での発症率が高く(約40%)、診断にはC.burnetii抗原に対する抗体反応による(急性例では第2相抗原、慢性例では第1相抗原への反応性が高い)。第一選択はドキシサイクリン、大動脈弁疾患例ではヒドロキシクロロキンを併用する。今回、2000-2001年CDCに報告されたQ熱48例中6例の調査報告を示す。カリフォルニア州 : 2001年5月、56歳女性が発熱(40℃)、肝腫大、肝酵素上昇のため受診。急性胆嚢炎と診断され、胆嚢切除を行った後、左脚痛および麻痺を来した。約4週後CTスキャンにより非特異性間質性肺疾患が認められ、6週後IFAアッセイによりC.burnetii第2相抗原反応性IgG抗体力価=1,024によりQ熱と診断された。62歳の夫も妻の発症から3日後に発症、隣に住む76歳男性も2001年4月に非特異性熱性疾患を発症していた(ともにC.burnetii第2相抗原反応性IgG抗体力価=1,024)。3例ともドキシサイクリン投与により治癒、女性のみ左脚神経障害が残った。ジョージア州 : 2001年3月、46歳男性、発熱、寒気、体重減少からインフルエンザと診断された。その後血清サンプルがC.burnetii第2相抗原反応性IgG抗体力価=256を示し、フルオロキノロン系ガンフロキサシンが5日間投与され、治癒した。回復期の血清検体はC.burnetii第2抗原反応性IgG抗体=16,384であった。ペンシルバニア州 : 2000年9月、90歳男性、胆嚢切除後38.3℃の発熱、4ヶ月の倦怠感、体重減少により受診、肝酵素上昇を認めた。11月の血清検体ではC.burnetii第1相抗原反応性IgG抗体力価=524,288を示し、1998年の大動脈弁置換術時の大動脈弁組織からC.burnetiiが検出された。長期ドキシサイクリン投与が開始されたが、2002年9月発熱と低血圧により再入院となった。テネシー州 : 2001年2月、49歳男性が右下肢塞栓のため入院。半年にわたる微熱、寝汗、倦怠感および関節痛から心雑音と診断され、心エコー検査所見により大動脈弁置換術が行われた。入院1週間後の血清検体ではC.burnetii第1相抗原反応性IgG抗体力価=512、ドキシサイクリンおよびレボフロキサシンが投与された。CDCにより大動脈弁組織からPCR法によりC.burnetiiが検出されている。いずれの症例も、自宅または自宅付近に家畜が飼われており、その一部より非直接的免疫蛍光(IFA)分析でC.burnetii感染が確認されている。

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