ホームIMICライブラリMMWR抄訳2002年(Vol.51)母乳を介する乳児への西ナイルウイルス感染の可能性-・・・
2002/10/04Vol. 51 / No. 39
MMWR51(39) : 877- 878,2002
Possible West Nile Virus Transmission to an Infant Through Breast-Feeding - Michigan, 2002
2002年9月2日、40歳女性が出産時貧血のため濃縮赤血球(RBC)輸血(分娩6時間後に1ユニット、翌日さらに1ユニット)を受けた。2回目の輸血ドナ-は、その血小板が輸血された肝移植症例が西ナイルウイルス脳脊髄炎(WNME)を発症しており、PCR法(TaqMan)によりWNV陽性が確認されている。分娩約2時間後、偏頭痛、輝所恐怖症および健忘性失語症を発症し、2日後の退院時に頭痛は消失していたが、8日後重度の持続性頭痛、12日後発熱、さらにその3日後には39.3℃まで上がり入院した(白血球数2,900/mm3)。脳脊髄液(CSF)中WBC134/mm3(正常値<10/mm3)10%好中球、蛋白質57mg/dL(正常値12-60mg/dL)、グルコ-ス57mg/dL(40-70mg/dL)、頭部CTは正常であり、CSF検体はWNV特異IgM抗体陽性を示した。新生児に対して分娩当日よりWNMEによる入院の2日目(発症から6日目)まで母乳を与えており、分娩16日目の母乳検体はWNV特異IgMおよびIgG抗体陽性、25日目の乳児血清検体もWNV特異IgM陽性を示したが、現在のところ乳児の健康状態は良好である。1歳未満の乳児WNV感染例は1999-2001年は報告されておらず、2002年には4例(2、3、9および11ヶ月齢)での感染が確認されており、母乳による感染であるのかレトロスペクティブな検討が行われている。
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