ホームIMICライブラリMMWR抄訳2002年(Vol.51)メジナ虫症(ドラクンクルス症)の世界的根絶への進展・・・
2002/09/13Vol. 51 / No. 36
MMWR51(36) : 810-811,2002
Progress Toward Global Dracunculiasis Eradication, June 2002
1986年に世界保健総会がメジナ虫病(Guinea worm disease)根絶決議を採択した時、20か国で推定350万人のメジナ虫病患者がおり、約12,000万人に感染リスクがあった。2001年12月までにメジナ虫病の年間発症率は約98%低下し、メジナ虫病がかつて風土病であった7か国(カメルーン、チャド、インド、ケニア、パキスタン、セネガル、イエメン)では根絶された。この報告では、2002年6月現在のメジナ虫病根絶プログラム(DEP)の世界的な進展状況を紹介する。2001年、メジナ病はアフリカ13か国(ベナン、ブルキナファソ、中央アフリカ共和国、コートジボワール、エチオピア、ガーナ、マリ、モーリタニア、ニジェール、ナイジェリア、スーダン、トーゴ、ウガンダ)で風土病であった。これらの国々では6,122の村落から患者63,717例が報告され、そのうち3,921(64%)の村落における49,471例(78%)の報告はスーダンからであった。2002年1月-6月、全体で21,164例の報告があり、そのうち14,986例(71%)がスーダンからの報告であった。スーダン以外の国々の土着患者数(6,158例)は2000年および2001年の同時期の報告(13,142例、8,349例)よりそれぞれ53%、26%減少した。2000年中期、スーダンの内戦の影響のない一部地域を含むこれら13か国ではメジナ虫病が土着している村落への布製フィルター配布やアドバイザーの派遣数増加などにより介入が強化された。また一部の全国的根絶プログラムは、伝播拡大防止のためメジナ虫出現時には保健施設内などで患者を隔離するよう強調している。以上、メジナ虫病が風土病として存在する残り13か国で最後の患者が確認され伝播が遮断されたならば、この疾患は根絶できる。
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