ホームIMICライブラリMMWR抄訳2002年(Vol.51)最新情報:AIDS -アメリカ,2000年
2002/07/12Vol. 51 / No. 27
MMWR51(27) : 592-595,2002
Update : AIDS - United States, 2000
アメリカ50州、DC、米国統治域におけるAIDS発症率、罹患率および死亡数に関する1996年1月から2000年12月の調査結果報告。AIDS発症率は1980年代急激に上昇、1990年代初期にピークに達し、以後緩徐に低下している。新たな治療法の確立により1996年のAIDS発症率は急低下したが、1999-2000年のAIDS発症率は変化なく、AIDS診断例は1999年40,907例、2000年41,113例であった。地域別AIDS発症率は、西部で低下、南部/中西部で低下した後一定、北東部で低下した後上昇した。人種別では、白人は急低下した後緩徐に低下し、黒人、スパニッシュ、アジア/太平洋諸国では緩徐に低下した後一定となっている。また、アメリカンインディアン/アラスカ原住民では1998年以降AIDS発症数が増加している(1998年152例、2000年183例)。さらに同性愛男性(MSM)および静注ドラッグ使用者(IDUs)では急低下した後緩徐に低下、MSMDUsでは低下が続いている。異性愛者での発症数は1996-1998年にはやや減少したが、以後増加に転じている(1999年10,258例、2000年11,136例)。死亡数は1996-1997年には42%に低下したが、その後低下が鈍り、1998-1999年5%、1999-2000年10%であった。地域別死亡数は北東部、西部および中西部で減少、南部および米国統治域では1996-1999年減少した後一定となっている。また、全人種、MSM、男女IDUs、MSMDUsの死亡数が減少しており、異性愛者では1996-1998年に減少し、1999-2000年は横這いであった。AIDS罹患率は調査期間を通じて上昇しており、2000年12月31日の時点で337,731例のAIDS症例を認め、黒人139,522例(41%)、白人127,838例(38%)、スパニッシュ65,991例(20%)、アジア/太平洋諸国2,841例(1%)、アメリカンインディアン/アラスカ原住民1,180例(<1%)であった。地域別では南部129,333例(38%)、北東部99,482例(29%)、西部66,085例(20%)、中西部32,909例(10%)、アメリカ領土内9,932例(3%)であり、男女別では成人/青年(13歳以上)男性264,149例[うちMSM 151,325例(57%)、IDUs 64,522例(24%)、MSMDUs 20,528例(8%)、異性愛者23,333例(9%)]、成人/青年女性69,755例[うち異性愛者40,051例(57%)、IDUs 27,475例(39%)]、13歳未満の小児は3,807例(約90%は母子感染)であった。今後、HIV感染例およびAIDS罹患例におけるAIDS発症予防とともに、QOLの向上や二次感染予防、さらに2005年のHIV新規感染例半減を目標とした医療措置が必要であろう。
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