ホームIMICライブラリMMWR抄訳2002年(Vol.51)乳牛借用プログラムを通して入手した非低温殺菌牛乳の・・・
2002/06/28Vol. 51 / No. 25
MMWR51(25) : 548-549,2002
Outbreak of Campylobacter jejuni Infections Associated with Drinking Unpasteurized Milk Procured through a Cow-Leasing Program - Wisconsin, 2001
2001年12月7日、ウイスコンシン州南西部のSawyer County Department of Health and Human ServicesはC.jejuni腸炎5例をウイスコンシン州公衆衛生課に報告した。5例全例が地元の酪農場で購入した非低温殺菌牛乳を飲んでいた。この報告は、ウイスコンシン州におけるこれら5例および他の症例についてと、非低温殺菌牛乳販売禁止規則の抜け道として使用された乳牛借用プログラムについての調査結果をまとめたものである。調査にて、Sawyer郡あるいはその周辺の郡において11月10日から12月18日に発症したC.jejuni腸炎75例(2-63歳)を確認した。疾患の徴候および症状としては、下痢(93%)、腹部痙攣(92%)、発熱(76%)、悪心(40%)、血性下痢(23%)がみられた。70例(93%)が地元の酪農場で購入した非低温殺菌牛乳を飲んでおり、4例(5%)は非低温殺菌牛乳を飲んだ患児の母親であった。1例は小児ケア施設に通う子供で、非低温殺菌牛乳を飲んでおらず、他の患者との接触もなかった。29例の便検体中28検体(97%)でC.jejuniの増殖を認めた。患者に牛乳を提供した施設は、36頭の乳牛を有するグレードAの有機酪農場であった。ウイスコンシン州では非低温殺菌牛乳は法的に販売できないため、その農場は乳牛借用プログラムを通じ、消費者が最初に料金を支払って乳牛の一部を借りるという形式をとることにより非低温殺菌牛乳を販売していた。12月8日に農場のタンクから採取した牛乳サンプルにてC.jejuniの増殖を認め、そのパルスフィールドゲル電気泳動パターンはアウトブレイク菌株と一致した。ウイスコンシン州では非低温殺菌牛乳を飲まないよう消費者に勧告するとともに、規則を強化して乳牛借用プログラムを禁止した。
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