ホームIMICライブラリMMWR抄訳2002年(Vol.51)ポリオ根絶へ向けた進展-パキスタンおよびアフガニス・・・
2002/06/21Vol. 51 / No. 24
MMWR51(24) : 521-524,2002
Progress Toward Poliomyelitis Eradication - Pakistan and Afghanistan, January 2000-April 2002
世界保健会議が全世界でのポリオ根絶を決議した1988年以降、世界中のポリオ発生率は99%減少した。パキスタンはポリオ根絶活動を1994年に、アフガニスタンは1997年に開始した。この2か国においてポリオは土着し続けているが、ポリオウイルスの発生率と地理的分布はかなり減少した。この報告は、パキスタンとアフガニスタンにおける2000年1月から2002年4月のポリオ根絶に向けたワクチン接種活動や急性弛緩性麻痺サーベイランスなどの進展状況をまとめたものである。パキスタンにおけるウイルス学的に確認されたポリオ患者数は、2000年には59地域199例であったが、2001年には39地域116例へと42%減少した。2002年1月から4月には18例がウイルス学的に確認されている。2001年に確認された116例中69例はポリオウイルス1型、46例は3型、1例は1型と3型の混合感染例であった。2001年のポリオ患者の疫学データより、アフガン難民や教育を受けていない親の子供を含むいくつかのハイリスク群が明らかになった。またアフガニスタンでは2000年には22地域で27例、2001年には7地域で11例が確認され、2001年1月から8月には9例が報告されている。両国は2002年末までにポリオウイルス伝播を遮断することを目指しているが、不安定な社会情勢のためその成功が危ぶまれる。ポリオ根絶活動の持続には、両国政府とそれを支援する日本や英国など世界的パートナーとの協力が重要である。
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