ホームIMICライブラリMMWR抄訳2002年(Vol.51)マイクロウェーブポップコーン工場の労働者における固・・・
2002/04/26Vol. 51 / No. 16
MMWR51(16) : 345-347,2002
Fixed Obstructive Lung Disease in Workers at a Microwave Popcorn Factory - Missouri, 2000-2002
2000年5月、Missouri Department of Health and Senior Services(MoDHSS)は固定閉塞性肺疾患8例の報告を受けた。8例が1992年から2000年に同じマイクロウェーブポップコーン工場(A工場)で働いていたことから、MoDHSSはA工場における労働者の呼吸器疾患リスクについての調査を開始した。A工場では大型加熱タンク内で大豆油、塩、調味料を混合しており、その過程で肉眼で見えるほこりやエアロゾル、強いバターの香りのする蒸気が発生する。報告された8例中4例はこの混合作業に、他の4例はタンクから5mから30m離れた場所でマイクロウェーブ包装作業に従事していた。1992年から2000年にここで働いていた労働者425人中13人(3%)が混合作業、276人(65%)がマイクロウェーブ包装に従事していたと推定されたことより、作業別疾患発症率は混合作業従事者で最も高いことが明らかになった。また2000年11月にCDCが行ったプラントAにおける現労働者の健康状態と作業環境についての調査では、現労働者の呼吸器症状発現率などが全国的データに基づいた予想値より高いことと、混合タンクのある区域ではバター調味料を含む蒸気による曝露の指標であるジアセチルの空気中濃度が著明に高いことが明らかになった。予備的動物実験でも、A工場で使用しているバター調味料を高濃度で吸入曝露させると気道上皮障害が発現することが示唆されている。以上の所見は、マイクロウェーブポップコーン工場で調味料に曝露されている労働者は固定閉塞性肺疾患発症のリスクがあることを示す。CDCは現在、他のマイクロウェーブポップコーン工場労働者における閉塞性肺疾患発症について調査中である。
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