ホームIMICライブラリMMWR抄訳2002年(Vol.51)ある大学における細菌性結膜炎のアウトブレイク-ニュ・・・
2002/03/15Vol. 51 / No. 10
MMWR51(10) : 205-207,2002
Outbreak of Bacterial Conjunctivitis at a College - New Hampshire, January-March, 2002
2002年2月1日から14日、ニューハンプシャーの大学生約100人が結膜炎症状のため健康サービスを訪れた。結膜炎の原因は当初ウイルスと考えられたが、眼分泌物の培養を行った12例全例で肺炎連鎖球菌が分離された。本報告は、この細菌性結膜炎のアウトブレイクについての予備的調査結果をまとめたものである。 調査では、結膜炎のエピソードを同定するため2002年1月15日から3月7日に学生健康サービスを訪れた学生の診断書をレビューした。この期間中に健康サービスを訪れた学生5060例中493例(9.7%)は肺炎球菌結膜炎の疑いがあり、81例(1.6%)は肺炎球菌結膜炎と確認された。発症率は新入生が最高(18.0%)であった。大学教員の調査や地方の小児ケアセンター、学校、眼科医、プライマリーケア医へのインタビューの結果、大学生以外で結膜炎エピソードの増加はみられなかった。眼科検査所見では様々な程度の炎症がみられ、治療としては抗生物質の局所投与が行われた。189例で採取した眼分泌物の培養では、81例(42.9%)で肺炎連鎖球菌が検出された。そのうち30株について血清型を検討したが、Quellung反応による型別はできなかった。3月13日の時点で、未だに新たな結膜炎患者が報告されている。健康管理者は大学生における結膜炎の原因として肺炎球菌を疑い、眼分泌物の培養、抗生物質の局所投与による治療、確実な感染防止対策の実施を考慮すべきである。
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