ホームIMICライブラリMMWR抄訳2002年(Vol.51)介助生殖技術の利用-アメリカ,1996および199・・・
2002/02/08Vol. 51 / No. 05
MMWR51(5) : 97-101,2002
Use of Assisted Reproductive Technology - United States, 1996 and 1998
介助生殖技術(assisted reproductive technology、ART)は自然妊娠に比べて多胎傾向であるため、妊娠合併症、分娩障害、低体重児、長期生存率低下等の危険を伴うが、1983年初の試験管受精(IVF)による妊娠以降、IVFおよびのART利用は著しく増加し、1998年には390万人の新生児の約0.7%を占めている。ART診療所数は330(1996年)から390(1998年)に増加(18%)し、ART処置件数も64,724(1996年)から81,899(1998年)へと26.5%増加している。州別調査では、カリフォルニア(10,615)、ニューヨーク(8,689)、マサチューセッツ(7,236)、イリノイ(5,145)およびニュージャージー(5,105)にて高く、アラスカ、アイダホ、メーン、モンタナおよびワイオミング州では実施されていなかった(ともに1998年データ)。1998年のART処置81,899件の内訳は、配偶者非凍結(新鮮)精子61,650(75%)、配偶者凍結精子11,288(14%)、非配偶者非凍結精子5,828(7%)、非配偶者凍結精子1,928(2%)、その他(代理母等)1,265(2%)であった。生児出生率はそれぞれ25、17、37、21、30%[全体 : 24.7%(20,143件)]であり、35歳以下の女性/配偶者非凍結精子で32%と高率であった。20,143件の生児出生により28,843名の新生児が誕生し、うち16,281名(56%)が多胎児[双生児12,598(44%)]であった。全国的には35歳以下の女性によるART出産の61.6%が多胎児出産であり、三つ子以上が16.4%を占めていた。この多胎児出産率は自然妊娠に比べ非常に高く(自然妊娠では約3%、三つ子以上は約0.16%)、母子ともに死亡率の増加をもたらすと考えられ、今後、移植する受精卵数を制限するなど多胎児出産率を低下する必要が示唆される。
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