腎細胞がん(腎がんまたは腎腺がんとも呼ばれます)は、腎臓の尿細管(非常に小さな管)の上皮に悪性(がん)細胞が認められる病気です。腎臓は腰より上の背骨の左右に1つずつ、2つあります。腎臓内の小細管は老廃物を血液から尿にして取り除き、血液を濾過し浄化します。尿は尿管と呼ばれる長い管を通って、各腎臓から膀胱へと移動します。尿は体内から排泄されるまで膀胱内に貯蔵されます。
尿管または腎盂(尿を収集し、尿管に排泄する腎臓の一部)内に発生するがんは腎細胞がんとは異なります。詳しい情報についてはPDQの腎盂・尿管の移行上皮がん*の治療についての項目を参照してください。
(注)*の項目はがんinfoの項目には含まれていません。
以下の試験や手法が用いられます:
理学的所見および既往歴:
全身を調べて、しこりや何か異常にみえるものなど疾患徴候を含めた一般的健康状態をチェックします。また患者のこれまでの生活習慣や過去の疾患および治療の病歴についても調べます。
血液化学的検査:
身体中の器官、組織によって血液中に放出されるある物質の量を測定するために、血液サンプルを調べる方法です。ある物質の量が異常(正常値よりも高値か低値)である場合、それをつくる器官、組織における疾患の徴候である可能性があります。
尿検査:
尿の色や尿糖、尿蛋白、赤血球および白血球など尿中の成分を調べる検査です。
肝機能検査:
肝臓によって血液中に放出される酵素の量を測定するために血液サンプルを調べる方法です。異常な酵素量は、がんが肝臓まで進展している徴候である場合があります。がん以外の特定の状況でもまた肝酵素値が上昇することがあります。
経静脈的腎盂造影(IVP):
腫瘍が腎臓、尿管、膀胱などの器官にあるかどうかを見つけるために連続したX腺で調べます。造影色素を静脈に注入します。造影色素が腎臓、尿管膀胱に移動して、その場所に腫瘍があるとX腺で見ることができます。
超音波検査:
高エネルギー音波(超音波)を体内組織または器官に反射させ、そのエコーをつくる方法です。エコーからソノグラフと呼ばれる体内組織の像が撮影されます。
CTスキャン(CATスキャン):
いろいろな角度から体内の詳細な像を連続的に撮影します。像はX線撮影装置と連動したコンピュータにより作られます。造影剤を静脈内に注入するか飲み込むと、臓器や組織がより明瞭に示されます。この方法はまたコンピュータトモグラフィー、コンピュータ断層撮影法、またはコンピュータ体軸断層撮影法とも呼ばれます。
MRI(核磁気共鳴画像法):
磁石と電磁波、コンピュータを用いて、体内領域の一連の詳細な画像を撮影する方法です。この方法はまた核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれています。
生検:
細胞または組織を採取して顕微鏡下で観察し、がんの徴候を調べます。腫瘍内に細針を挿入して、組織サンプルを採取します。その後、病理医が組織を顕微鏡下で観察し、がん細胞があるかどうかを調べます。