MMWR54(25):625−628
喫煙はすべての人体器官に害を与え、病気を誘発し、QOLと平均寿命を削減する。
CDCは、1997-2001年の全米年間推定喫煙起因死亡率(SAM)、成人と幼児の潜在的損失生命年数(YPLL)、および成人の生産性損失を算出した。その結果、1997-2001年の米国における喫煙および煙の曝露による早期死亡者数は約43万8千人、YPLLは550万、年間生産性損失は920億ドルであった。
喫煙による病気に関する2004年Surgeon General's reportに基づく、Adult and Maternal and Child Health Smoking-Attributable Mortality, Mobidity and Economic Cost(SAMMEC) softwareによれば、喫煙を原因とする病気の中には、胃癌、急性骨髄白血病が含まれ、高血圧は含まれない。また、性別・年齢別の喫煙死は、予防可能死の喫煙起因比率(SAF)により、19の成人病と4つの幼児病のカテゴリーの合計死者数を乗じることにより算出される。1997-2001年における喫煙による米国の年間平均死亡者は、男性:259,494人、女性:178,408人であった。成人のうち、158,529人(39.8%)は癌による死亡であり、137,979人(34.7%)は循環器疾患、101,454(25.5%)は呼吸器系疾患による死亡であった。また、喫煙による死亡例の主要な病気は、肺癌(123,836例)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)(90,582例)、および虚血性心疾患(86,801例)であった。妊娠中の喫煙により、1997-2001年において毎年推定910人の幼児が死亡し、二次的喫煙曝露により、毎年推定38,112例の肺癌および心臓疾患患者が死亡している。年間平均SAMには、喫煙による火災で死亡した918例も含まれている。また、1997-2001年におけるYPLLは、推定平均男性3,300万、女性2,200万であり(火災死および煙の二次的曝露による死を除く)、喫煙による生産性損失の年間平均値は、男性約619億ドル、女性約305億ドルであった。
喫煙による有病率、死亡率、および医療費を削減するため、包括的なタバコ規制プログラムが必要である。
MMWR54(25):628−630
高熱は、人体が熱を発散させることができないために起こる体内温度の上昇である。
体内温度[37℃(98゜F)]に近い大気熱での継続的曝露は、とくに若年層の人において潜在的死因となる。高熱による健康リスク評価のため、アリゾナの医療関係者とCDCは、アリゾナ州の熱関連の死亡・病気例について調査し、米国全体のケースと比較検討した。
アリゾナは、長期にわたる強烈な夏の高熱が続き、7月初旬の日中最高気温は100゜F(38℃)以上であり、9月半ばまで持続することがある。1993-2002年において、アリゾナにおける死亡者の253例が熱曝露によるものであり、年齢調整死亡率は米国のなかでも最大であった。1979-2002年において、大気状態に起因する熱関連死亡は全米で計4,780例あり、1993-2002年におけるアリゾナの熱関連死亡例は、25歳以上において米国全体の3-7倍、また、100万人中25-34歳においては2人、85歳以上においては42人の死亡者があった。
2001年7月、アリゾナPhoenix西部で新兵訓練をしていた14歳の少年が、幻覚を起こし土を食べ始めた。少年は、111゜F(44℃)という高熱の下、1-5時間直射日光に曝露していた。反応が無くなり、キャンプの監督者が浴槽に寝かせシャワーを浴びせたが、911に電話したときには少年の意識はすでに戻らず、その晩に死亡した。監察医により、死因は溺死と熱曝露による脱水症状と診断された。
また、2004年8月午後5時50分頃、Phoenix郊外で2歳と4歳の姉妹が母親の車に閉じ込められ、反応を失っているのが発見された。子供は15分以上車に閉じ込められており、事件当時の室内および大気温度は記録されていないが、同日時の最高気温は90゜F(32℃)半ば-101゜F(38℃)であった。緊急医療サービス(EMS)が到着したとき、子供は非収縮性状態にあった。ヘリコプターでの移送中、骨内エビネフリンとアストロピンが複数処方され、緊急科(ED)での二人の直腸の温度は、姉106.4゜F(41.3℃)、妹105.0゜F(40.6℃)であった。ED到着後10分以内に二人とも死亡し、死因は脳水腫と高熱であると診断された。
全国データによると、1979-2002年において4,780例は大気中の高温度を原因とする死亡であり、年齢数が報告された4,686例(98%)のうち260例(6%)は15歳未満の幼児であり、2,356例(50%)は15-64歳の成人、2,070例(44%)は65歳以上の高齢者であった。また、1979-2002年の間、3度(1980、1995、1999年)の熱波が襲い、同年の熱関連死亡例の年間比率は、65歳以上において最も高い割合を占めた。
高温度の影響を受ける地域における公衆衛生機関は、熱死の危険にさらされている住民(65歳以上の老齢者など)に対して、特定地域の熱対策計画(HRP)を企画・実施する必要がある。
MMWR54(25):630−634
2004年10月-2005年5月のインフルエンザシーズンにおいて、インフルエンザA(H1)型、A(H3N2)型、およびB型ウイルスが全世界で敷衍し、インフルエンザA(H3N2)型が優位を占めた。以下、2004-05年におけるアメリカおよび全世界のインフルエンザ活性について報告する。
インフルエンザ活性は、10-12月半ばの低レベルから1月にかけて次第に上昇し、2月半ばにピークを迎えた。インフルエンザA(H3N2)型ウイルスが一番優位であったが、3月下旬から5月にかけてインフルエンザB型ウイルスがA型ウイルスよりも優位になった。A(H1)型ウイルスもわずかに確認された。
2004年10月3日-2005年5月21日、World Health Organization(WHO)とNational Respiratory and Enteric Virus Surveillance System(NREVSS)は、アメリカにおいて157,759のインフルエンザウイルスを発見し、そのうち23,549(14.9%)が陽性であった。また、陽性ウイルスのうち、17,750(75.4%)がインフルエンザA型であり、5,799(24.6%)がB型であった。
CDCは、2004年10月1日以降アメリカで収集された、インフルエンザウイルス1,075のうち、11のインフルエンザA(H1N1)型ウイルス、709のインフルエンザA(H3N2)型ウイルス、355のインフルエンザB型ウイルスを抗原的に区別した。
州および地域の疫学者によると、インフルエンザ活性は2005年2月19日で終わる週にピークを迎え、30州で幅広いインフルエンザ活性を経験し、13州で地域的な活性が報告された。合計42州とニューヨーク市が最低1週間以上の幅広いインフルエンザ活性を報告した。一方、2005年5月7-21日までの第18-20週においては、いずれの州も地域的またはローカルなレベルにおける広範な活動は報告されなかった。
Emerging Infections Program(EIP)とNew Vaccine Surveillance Network(NVSN)の2機関により、インフルエンザ関連の疫病入院が調査された。2004年10月1日-2005年4月30日、0-4歳の児童のインフルエンザ関連の入院率は1万人中7.0人(NVSN報告)および3.1人(EIP報告)であった。また、EIPによれば、5-17歳の児童のインフルエンザ関連入院率は1万人中0.6であり、0-17歳の児童における入院率は1万人中1.3であった。2004年10月、インフルエンザ関連による小児(18歳未満)の死亡数は、全国的に顕著な状況となり、2004-05年のインフルエンザシーズンに、16州において36の小児死亡例が報告された。すべての死亡例は、2005年1-6月に報告されている。
また、2004年1月-2005年6月28日、鳥インフルエンザA(H5N1)型のヒト感染が108例報告され、ベトナム、タイ、カンボジアにおいて、54の死亡例が報告された。