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セミナーレポート 2014

平成26年度 IMICセミナー第4回

2014/12/12

平成26年度 第4回IMICセミナー

「論文を読み込み使うためのリテラシー ~続・統計の威力と落とし穴~」

本年度最後のIMICセミナーは、大変好評だった第1回に引き続き、武蔵国分寺公園クリニック院長/
CMECジャーナルクラブ編集長の名郷直樹先生より「論文を読み込み使うためのリテラシー 〜続・統計の威力と落とし穴〜」と題し、今年7月に開催した第1回IMICセミナーの続編のご講演をいただきました。今回の名郷先生も講演当初から軽快なトークで会場をあたため、和やかな雰囲気でセミナーは進行していきました。
本セミナーでは、「観察研究を読み、利用する」ことを目標に、前半ではEBMの基本である「EBMの5つのステップ」の解説を中心に、後半は実際あった事例を中心に正しい情報の収集について解説されました。

前回に引き続き、多くの方々にご参加いただきました

■ Introduction

まず「情報を一方向からだけ見るのは危険である」ということから、講義が始まりました。例として、低コレステロール値と短命との関連を題材にあげられ、EBMの観点から「一概にコレステロール値が高い方が長寿であると結論付けるのは危険である」との結論になった。どのようにして結論が導き出されたのかをEBMの5つのステップにより解説されました。

■ EBMの5つのステップ

EBMの5つのステップとは、「1. 問題の定式化」、「2. 問題に関する情報の収集」、「3. 情報の批判的吟味」、「4. 情報の患者への適用」、そして最後に「1~4の評価」です。「1. 問題の定式化」にはPECOを使用します。

■ PECOとは

PECOは、Patient(患者)、Exposure(曝露)、Comparison(比較)、Outcome(結果)の略で、あらゆる問題の定式化に利用します。今回は「一般=General(健常者を対象)」、「自然=Natural(長期の経過観察)」、「予後因子=Prognostic factor(要因の有無)」(GNP)を加えPECOを実施しました。

■ 情報の収集方法

今回は情報収集の手法として、「PubMed Clinical queries」を用いた文献抽出について解説いただきました。この検索手法は、Therapy/Diagnosis/Prognosis/Etiology等の選択、またBroad/Narrowの選択することにより、検索式が自動的に設定され、効率的な情報収集を可能にします。

■ 観察研究デザイン

観察研究のデザインには、横断研究、症例対照研究、コホート研究があり、その基本要素の「曝露因子・交絡因子・アウトカム」が重要であると説明されていました。横断研究は、1時点だけの調査であり、因果関係を検討するのには適していない。症例対照研究は、後ろ向きの調査であり、過去に遡って調査するので曝露因子の有無が明確で低コストで実施可能だがバイアスがかかりやすい。結果として、前向き調査であるコホート研究がバイアスも少なく観察研究には適しているとのことでした。

■ 批判的吟味

このパートでは、実際にどのような交絡因子が存在するのか、相対危険(Relative Risk=RR)と害必要数(Number Needed to Harm=NNH)、信頼区間と危険率(p値)について、実例を挙げながら解説いただきました。実際に有意差はないが臨床的には重要であったり、βエラー( 差があるのにないとしてしまうエラー)など、検定だけに頼ることへの危険性を説いていらっしゃいました。

■ 患者への適用

同一人種の研究結果が必ずも目の前の患者にあてはまるわけではない、しっかり情報を吟味し、検討することが重要であると解説していました。それには、正しい情報の提供も重要であると説き、後半の実例紹介に続きました。

 

論文を読み解いた結果を参加者の方々に聞いてまわる名郷先生

■ EBMの実践

後半は先生の経験も含め、実例を挙げながら、正しく情報を読み解くことの重要性について熱く語っていただきました。医療行為は結果オーライではいけない。そのためには批判的に様々な文献を読み、総合的に判断して投薬を行うことが重要であるとの考えを示していました。

■ まとめ

質疑応答の時間には、参加者からではなく、先生から逆に質問をされていました。その内容はメーカーからの情報提供の姿勢について、ポジティブなデータの提供だけではなく、ネガティブなデータも提供することが重要であり、メーカーは今後どのように取り組むのかとの質問でした。現在は学術部門が営業部門から分離されている企業も多いので、良い方向に向かうのではとの回答でした。
今回のセミナーはこれまでのEBMセミナーとは異なり、クリティカルな内容もあり、ご参加された方々には新鮮な内容で、想像以上に高い評価をいただきました。

 

名郷先生の熱いメッセージに皆様真剣に耳を傾けておりました

 

来年度の IMICセミナーは、現在内容の検討中となっておりますが、来年度も実践でご活用いただける有意義なセミナーを実施していきたいと存じますので、賛助会員の皆様はぜひ振るってご参加ください。

2014年12月吉日

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